舌小帯形成術(嚥下機能改善手術)嚥下障害
概要
嚥下機能改善手術の1つです。舌と口の底を繋ぐ舌小帯といわれるヒダに対して行う手術です。ここが極端に短い場合などは飲食物が噛みづらく、その結果嚥下障害や発声のトラブルなどに繋がっている可能性もあるため、舌小帯形成術を行うことでそれらの症状の改善を目指します。
他の治療法に比べての優位性
留意すべきこと
術後数日はピリピリとした痛みが出ることがあります。また飲食ができない場合もあり、ゼリーなど食事の形態に配慮が必要となることがあります。
手術は一定期間のリハビリテーションを行っても十分な効果が得られない場合に検討されます。また手術を行っても十分な効果が得られず障害や誤嚥が残る可能性もあります。
多くの場合、手術後もリハビリテーションが必要になります。
副作用と対策
手術創より出血する可能性があります。
出血した場合、薬物治療や外科治療により止血を試みますが、出血量が多い場合は輸血が必要になる場合があります。
こちらには代表的な副作用を記載しております。具体的な薬剤の副作用はこちらからご確認ください。『処方薬』のお薬検索
費用
数1000円~10,000円程度
一般的な所要時間
入院期間:日帰り~数日程度
手術時間:数分~30分程度
適用される患者
長期間リハビリなどで改善しない方、より短期間で社会復帰を望む方、口のはたらきは保たれているが喉の障害が重い方、誤嚥してもある程度のむせ反応がある方、自分でたんを出すことができる方、舌小帯の長さに問題があり、飲食や発声が難しい方
以下の方は適応をさけましょう。
口や喉の感覚の低下が重い方、寝たきりの方、コミュニケーションが著しく障害されている方、進行性の神経系の病気を患っている方、脳の神経などの障害により著しく嚥下機能が障害されている方、舌小帯がほとんどなく舌と口の底がくっついてしまっている方
更新日:2017年02月21日
参照元:(標準的神経治療:神経疾患に伴う嚥下障害 日本神経治療学会https://jsnt.gr.jp/guideline/img/enge.pdf(2017年2月16日閲覧),嚥下障害診療ガイドライン2012年版 日本耳鼻咽喉科学会 金原出版 2012年,日本耳鼻咽喉科学会会報Vol.118No.1 日本耳鼻咽喉科学会https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/118/1/118_74/_pdf(2017年2月16日閲覧),医薬品医療機器総合機構Pmdahttp://www.pmda.go.jp/(閲覧日:2016年2月24日))
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