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認知症の症状と原因

症状 - どんな症状がでるか

潜伏期間と初期症状

症状の初期段階では、日常生活に支障をきたす程度の物忘れがおこりはじめます。また最近の出来事ですらを思い出すことが困難といった特徴もみられます。このような状態を軽度認知障害(MCI)とよびます。この段階での早期発見、早期治療を行なうことで進行を遅らせることができます。

進行時の症状

進行後には、大きくわけて中核症状と周辺症状(BPSD)という2つの症状がみられます。
中核症状とは脳細胞の働きが鈍くなることでおこる症状をいい、記憶が抜け落ちてしまうといった記憶障害、日時や場所の感覚が失われる見当識障害、目的に向かって行動ができなくなる実行機能障害などがあります。
また、言葉が出てこないなど言語機能が失われることを失語、五感が正常でなくなり周囲の情報を把握できなくなることを失認、ズボンのはき方など行動の仕方が分からなくなることを失行と言い、失語、失認、失行の3つを合わせて高次脳機能障害とよびます。
中核症状に周辺環境や個人の性格などが作用することであらわれるのが周辺症状とよばれるもので、睡眠障害、徘徊、妄想、攻撃的行動、幻覚、不安や抑うつ状態といったものがあげられます。

疫学 - かかりやすさ、かかりやすい人

かかる割合(罹患率)

人口10万人あたり、65歳以上の方の約15,000人がかかるといわれています。
※厚生労働省研究班 2012年時

年齢によるリスクの上昇度合

年齢が上がるほど発症率はたかまります。74歳までは10%以下ですが、85歳以上になると40%以上の方が認知症とされています。 また、ほとんどの年代で女性の方がかかる率が高いという結果が出ています。しかし若くても発症する場合もあり、64歳以下で発症した場合は若年性認知症とよばれます。

原因や遺伝の影響 - 病気になる理由

■アルツハイマー型認知症
脳内のたんぱく質に異常がおこり神経細胞が壊れ、脳が萎縮することでおこります。認知症の方の約60%を占めています。

■脳血管性認知症
脳の血管が詰まって栄養が神経細胞に行き届かなくなり、細胞死や細胞の働きが低下しておこります。

レビー小体型認知症
脳の広い範囲にレビー小体という異常なたんぱくがたまり、脳の神経細胞が徐々に減っていく進行性の病気です。1990年代の後半になって広く知られるようになった比較的新しい病気です。認知症の方の約20%を占めています。

■前頭葉側頭葉変性症
前頭葉側変性症は、脳の前頭葉や側頭葉の委縮がすることでおこります。病気の進行にともなって脳の委縮がみられることはアルツハイマー型と同じですが、委縮する部分が異なります。

そのほか、脳腫瘍やビタミン不足も認知症の原因とされています。

分類 - 病気の種類や段階

【種類】
■アルツハイマー型認知症:もっとも初期は記憶障害だけみられます。いいたい言葉が出てこない、やる気がない、慎重さや注意不足などの症状があらわれます。進行すると記憶障害は明らかになり、他人のいう事を理解するのが難しくなります。またこの時期を特徴づけるのはいわゆる行動異常や精神症状で、うつ、妄想、焦燥、不穏などの症状がみられます。さらに症状が重度になると、運動機能にも支障をきたし、失禁があらわれます。衰弱が進むのにともなってさまざまな病気にかかりやすくなります。

■脳血管性認知症:脳血管疾患をわずらった後に、認知症状態がみられるなど、認知症状態と脳血管疾患発症との間に時間的関連性が認められるものをいいます。

レビー小体型認知症:初期には記憶よりも注意の障害が目立ちがちです。経過と共に幻視や錯乱状態になる、方向感覚が悪くなることもみられます。日中の眠気や寝ぼけ、寝語などの睡眠異常がひどくなることもあります。また歩行障害や動作がゆるくなることもあり、姿勢が傾くことや失神することも多くなります。

■前頭葉側頭葉変性症:最近では3つに分類されますが、有名なのはピック病など前頭側頭型認知症(FTD)です。初期には特徴的な人格変化、情動面の変化、病識の欠如や判断力の低下がみられます。人格変化の特徴は、ゴーイングマイウエイと称される無遠慮な振る舞い、行動の制御困難ですが記憶については比較的保たれます。もう少し進行すると失語が目立ってくる、定刻に同じ場所を回り歩く”周徊”も特徴的です。さらに身体機能の低下が明らかになり、コミュニケーション能力を失って重度の認知症状態になります。

【ステージ】
■軽度:自立、またはほぼ自立しているが、時には人の手を借りることが必要な状態
■中等度:多くの時間で介護が必要な状態
■高度:全ての時間で介護が必要な状態

検査 - 病気の特定方法

問診 病気の有無

いつ頃からどのような症状がはじまったのかを確認するために、本人の生活環境や状態を知る家族に質問を行う場合があります。

知能テスト 確定診断

さまざまな方法がありますが、"改訂長谷川式簡易知能評価スケール"というテスト形式のものが一般的に行われています。

脳血流シンチグラフィ (SPECT、画像検査) 確定診断

体内の放射線の分布をみることで、血流量や代謝機能を調べる検査です。放射性同位元素を体内に注入した状態でからだの断面画像を撮像します。からだを回転させながらシンチカメラで撮影を行います。
脳血流シンチグラフィ検査では、脳血管障害の状態を確認することを目的としています。

CT検査 (画像検査) 病気の有無

電磁波、磁力を利用して脳の断面図を約20~40分にかけて撮影し、内部をさまざまな角度で輪切りにすることにより、海馬や前頭葉、側頭葉の萎縮や出血などの病巣を確認します。MRIでは見えない頭蓋骨がCTでははっきりと映し出すことができます。
からだへの負担が比較的少ない検査ですが、ペースメーカーなど体内に金属を埋め込んでいる方、閉所恐怖症の方などには実施できない場合がありますので、前もって確認しておきましょう。

PET検査 (ポジトロン断層撮影) 確定診断

静脈注射によって放射性医薬品(PIB)を体内に入れ、しばらくしてから陽電子放射断層撮影(PET)を行い、脳を確認する検査です。認知症の原因物質であるアミロイドは放射性医薬品と結びつくため、撮影によってアミロイドの蓄積状況やその蓄積箇所を調べることができます。

MCIスクリーニング検査 (血液検査) 確定診断

MCIスクリーニング検査では1回10cc程度の採血を行います。病気の原因物質が血液にどの程度蓄積しているのかを探り、病気の進行状況を判断します。

MRI検査 (核磁気共鳴検査、画像検査) 病気の有無

電磁波、磁力を利用して頭部の断面図を約20~40分にかけて撮影し、海馬や前頭葉、側頭葉の萎縮や出血などの病巣を確認します。CTで確認できる横断面の画像に対して、MRIはあらゆる角度からの脳画像をみることができます。
からだへの負担が比較的少ない検査ですが、ペースメーカーなど体内に金属を埋め込んでいる方、閉所恐怖症の方などには実施できない場合がありますので、前もって確認しておきましょう。

予後 - 治療の経過と再発

治療後フォローと再発

アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症は回復が望みづらく、治療は症状の進行を遅らせるためのものになります。一方、脳腫瘍や代謝障害、ビタミン不足などを原因とする認知症は、完治を目指した治療が可能です。
治療後は、再発リスクを高める薬物やアルコール中毒、喫煙、生活習慣病などに注意して生活しましょう。

合併症と転移

認知症の方は身体機能が低下しているため、痛みを感じる神経が弱まったり、からだの不調の状態をうまく表現できなくなったりします。そのため肺炎や腸閉塞といった内科合併症を引きおこすことがあります。

更新日:2016年12月27日

参照元:(認知症疾患治療ガイドライン2010認知症疾患治療ガイドライン作成合同委員会,筑波大学付属病院認知症疾患医療センターhttp://www.s.hosp.tsukuba.ac.jp/dementia/sub6.html(閲覧日:2015年6月19日),医薬品医療機器総合機構Pmdahttp://www.pmda.go.jp/(閲覧日:2015年7月6日))

治療ノートは診療ガイドラインや厚生労働省のウェブサイトからコンテンツを作成しております。情報の正確性、治療法の選択肢の幅には細心の注意を払っておりますが、間違いを見つけた方、別の治療法をご存知の方は、お問い合わせフォームよりお知らせ下さい。実際の治療は医師とよく相談したうえで行ってください。

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