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トラスツズマブ(抗悪性腫瘍薬、分子標的治療薬、抗HER2療法、抗がん剤)乳がん

概要

分子標的薬は、がん細胞にある特徴的な物質のみを狙って攻撃するように開発された薬です。
細胞の増殖や悪性化をうながす"HER2(ハーツー)タンパク"という細胞を標的にし、がん細胞の増殖を抑える働きをします。
HER2たんぱくが多量にあるHER2陽性の乳がんに効くとされ、手術前に抗HER2療法との併用、または単独で行われます。

他の治療法に比べての優位性

HER2たんぱくは正常な細胞にも微量に含まれています。分子標的薬は、高い効果が期待できると同時に、正常な細胞への副作用が少ないという特徴があります。

留意すべきこと

初回投与後の1日以内に起こる副作用は、まれに重症化することがあるため、可能であれば入院して行うことが望ましいとされます。
また、心機能障害をおこす可能性があるため、定期的に心機能検査を受けることが大切です。

副作用と対策

発熱

薬の投与中または投与から24時間以内に発熱や悪寒がおこる場合があります。一般では、1度目の投与時に多くみられ、2度目以降はおこりにくいとされています。頭痛や吐ふらつきなどの症状がまれにおこることがあります。

注射後、発熱などがあらわれた場合、薬によって症状がおさまります。頭痛などの症状があらわれた場合には医師に相談しましょう。

アナフィラキシー

発疹や顔面のむくみ、呼吸困難や「ぜーぜー」「ひゅーひゅー」といった喘鳴(ぜんめい)、喘息のような症状、頻脈、血圧低下などが使用中または使用後にあらわれる場合があります。発症には個人差があるとされていますが、使用後30分以内にあらわれる場合が多いとされています。アナフィラキシーは頻度の低い副作用とされていますが、意識の混濁やチアノーゼといったショック症状など、重篤な症状になる場合があるため注意が必要とされています。なかでも、先天性IgA欠損症の方ではこうした過敏反応がおこりやすいため注意しましょう。

症状は投薬後5~30分以内にあらわれることが多いため投薬時は様子をみるほか、投与後15分は病院に留まり、医師の監視下にいるようにしましょう。息苦しい、気分が悪い、口腔内の違和感など症状があらわれた場合にはすみやかに医師に相談しましょう。

消化器障害

吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢口内炎といった症状があらわれます。

腹部を温め、吸収のいいものを食べるようにしましょう。消化管に負担をかける食物繊維など残渣(ざんさ:不溶物)の多いものや炭酸、刺激物、生野菜、脂肪分、乳製品をさけましょう。重症度によっては、絶食や脱水症状を防ぐための生理食塩水などを点滴します。下痢止めなどを使うこともあります。

心機能障害

あまり多くはありませんが、階段や坂道をのぼるだけといった軽い運動で息苦しさを感じる、疲労感が続く、咳が多くでる、手足がむくむなどの症状がおこります。他の抗がん剤を併用している際におこることが多いといわれており、心不全を引きおこす場合もあるため注意しましょう。

症状があらわれた場合、すぐに医師に相談しましょう。 心不全がおこった場合、治療を中止し、心不全の治療を行う必要があります。 薬の投与を中止することで、症状がおさまる場合もあります。

こちらには代表的な副作用を記載しております。具体的な薬剤の副作用はこちらからご確認ください。『処方薬』のお薬検索

費用

150mgでおよそ60,000円程度 2回目以降は1回およそ40,000円程度(体重が50kg程度の場合)

(3割負担の保険適用時)

一般的な所要時間

3週間ごとに1年間程度、点滴を行います。

適用される患者

HER2陽性の方、またHER2陽性の方の再発予防目的として行われます。

※HER2陰性の方は適用となりません。また、アントラサイクリン系の薬との服用は禁忌なため注意しましょう。

更新日:2016年10月26日

参照元:(がん情報サービスhttp://ganjoho.jp/public/cancer/breast/(閲覧日:2015年10月8日),各種がん144乳がんがん情報サービスhttp://ganjoho.jp/data/public/qa_links/brochure/odjrh3000000ul0q-att/144.pdf(閲覧日:2015年10月8日),がん研有明病院http://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/breast.html(閲覧日:2016年12月9日),乳がんとホルモン療法沢井製薬株式会社(閲覧日:2016年12月9日),医薬品医療機器総合機構Pmdahttp://www.pmda.go.jp/(閲覧日:2015年10月8日))

治療ノートは診療ガイドラインや厚生労働省のウェブサイトからコンテンツを作成しております。情報の正確性、治療法の選択肢の幅には細心の注意を払っておりますが、間違いを見つけた方、別の治療法をご存知の方は、お問い合わせフォームよりお知らせ下さい。実際の治療は医師とよく相談したうえで行ってください。

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