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乳房温存手術乳がん

概要

乳頭、乳輪を温存し、乳房部分切除と腋窩リンパ節の切除を行う方法です。一般的にひろく行われている治療法です。
放射線療法などを組み合わせることによって安全な治療が行われると判断される場合に選択されます。
がんを完全に取り去り、乳房を残せるかどうか慎重に検討されたうえで行われます。

適用される患者

下記に該当する方が対象となります。
■しこりの大きさが触診で3cm以下であること(最大4cmまで)
■各種の画像診断で広範な悪性石灰化などがないこと
■病巣が多く発生していないこと
■放射線照射が可能なこと
■治療を受けられる方が温存療法を希望すること

下記に該当する方は受けられません。
■マンモグラフィにより乳房内に石灰化がみられる場合や、複数の腫瘍がある場合
■妊娠中の方
■膠原病(皮膚筋炎、SLEなど)などで、放射線をかけると皮膚の過剰反応が予想される場合
■腫瘍が大きい場合
■治療を受けられる方が温存療法を希望しない場合

他の治療法に比べての優位性

乳房を温存できるため、乳房の皮膚感覚を残すことができます。また入院期間がもっとも短いとされている方法です。乳房切除術と比べ、姿勢のバランスに対する影響が小さいとされています。

留意すべきこと

再発のリスクがわずかですが、他の方法より高くなります。放射線治療のために3~5週間、毎日通院する必要があり、ほてりや痛みを感じる場合があります。胸の変形によりショックをうける方もいます。
手術後の乳房の変形のため再建を希望する場合、放射線治療の影響によって皮膚の弾力が低下し、再建が難しくなったり、再建後に問題が生じることがあります。また、がんの取り残しのリスクがあり、その場合はもう一度手術を行う必要があります。

副作用と対策

肩や腕の運動障害

手術を行ったことで肩や腕があがりにくくなることや肩こり、しびれ、むくみがなどを生じることがあります。

術後早めにリハビリやマッサージを始めることで、早期回復を目指しましょう。

皮膚症状

腋窩リンパ節の郭清を一緒に行うことで、術後に創部また上腕のわきの下の感覚がなくなることがあります。

わきの下の感覚は徐々に回復しますが、術前の状態へは戻りません。感覚がなくなるため、怪我などに注意しましょう。

リンパ浮腫

リンパ郭清により、わきの下におけるリンパ液の流れが悪化してむくみが生じることがあります。

むくみ用のストッキングやバンテージ(弾力性のある腕カバー)をはめることでむくみを予防します。また症状が重い場合は週1~2回を目安に1ヵ月程度通院して液を抜き改善することもあります。乳房温存手術を行った場合は、局所切除した箇所にリンパ液がたまる傾向にあります。

感染症

治療を受けた方の抵抗力が低い場合や抗生剤の効き目が弱い場合、使用した薬の作用や術部が清潔に保たれなかった場合などに、感染症を引きおこすことがあります。術後、熱がなかなか下がらない場合や、血液検査において炎症を表す数値が高い場合、手術を行った部位の外観の異常で術後感染症の有無が判断されます。

日常生活の中で予防として、手洗い、うがい、マスクの着用、人ごみの回避など注意が必要です。咳が続く、喉の痛みなど、気になる症状がある場合は医師に相談しましょう。治療が長期間にわたる場合では、定期的な検査が行われる場合があります。また、長期投与した後に突然使用を中止してしまうことで副作用がおこる場合があるため、服用の継続、中止は必ず医師に相談のもと行いましょう。発症した場合、感染症に合わせた治療が行われます。

こちらには代表的な副作用を記載しております。具体的な薬剤の副作用はこちらからご確認ください。『処方薬』のお薬検索

費用

約600,000円

(3割負担の保険適用時)

一般的な所要時間

手術後の経過が順調であれば、約1週間ほどで退院できますが、放射線治療のために3~5週間程度毎日通院する必要があります。

更新日:2016年10月26日

参照元:(がん情報サービスhttp://ganjoho.jp/public/cancer/breast/(閲覧日:2015年10月8日),各種がん144乳がんがん情報サービスhttp://ganjoho.jp/data/public/qa_links/brochure/odjrh3000000ul0q-att/144.pdf(閲覧日:2015年10月8日),がん研有明病院http://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/breast.html(閲覧日:2016年12月9日),乳がんとホルモン療法沢井製薬株式会社(閲覧日:2016年12月9日),医薬品医療機器総合機構Pmdahttp://www.pmda.go.jp/(閲覧日:2015年10月8日))

治療ノートは診療ガイドラインや厚生労働省のウェブサイトからコンテンツを作成しております。情報の正確性、治療法の選択肢の幅には細心の注意を払っておりますが、間違いを見つけた方、別の治療法をご存知の方は、お問い合わせフォームよりお知らせ下さい。実際の治療は医師とよく相談したうえで行ってください。

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