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膀胱がん(膀胱の悪性腫瘍)の症状と原因

症状 - どんな症状がでるか

潜伏期間と初期症状

主な症状は痛みのない血尿で、約8割の方にみられます。多くは目で見て認識できる「肉眼的血尿」ですが、顕微鏡で調べてはじめて血尿とわかる場合もあります。血尿はいったん治まってしまうこともあり、次に血尿が出た時は進行している場合もあるため、気づいたらすぐに受診しましょう。
また、2~3割の方に頻尿や尿意切迫感、排尿痛、下腹痛といった「膀胱刺激症状」という膀胱炎に似た症状がみられます。
かなり進行するまで症状を感じない場合もあるようですが、膀胱がんは早期に自覚症状が出やすいため、転移した状態で発見されることは比較的少ないです。

進行時の症状

がんが拡がり尿管口を塞ぐことで、尿の流れが妨げられて尿管や腎盂が拡張する「水腎症」をおこし、背中に鈍痛や張りを感じることがあります。

疫学 - かかりやすさ、かかりやすい人

かかる割合(罹患率)

人口10万人あたり男性12.8人、女性2.8人といわれています。
※2008年における膀胱がんの年齢調整罹患率

年齢によるリスクの上昇度合

男女とも60歳以降でリスクがあがり、40歳未満は少ない傾向にあります。また男性は、女性の約2~3倍の頻度で発症しています。

原因や遺伝の影響 - 病気になる理由

膀胱がんの確立されたリスク要因は喫煙です。男性の50%以上、女性の約30%の膀胱がんの発生要因は喫煙という試算があり、喫煙者は非喫煙者に比べて発生率が約4倍高いといわれています。
また染色、皮革、ゴムなどの工場で使用されていたナフチルアミン、ベンジジン、アミノビフェニルといった染料への慢性接触も確立したリスク要因とされているため、現在はいずれも使用を禁止しています。
そのほか、フェナセチン含有鎮痛剤(現在は発売禁止)、抗がん剤のシクロフォスファミド、骨盤内臓器に対する放射線治療時の膀胱への被ばくなどがリスク要因として挙げられています。
エジプト・ナイル川流域の地方病であるビルハルツ住血吸虫症の感染もリスク要因です。

分類 - 病気の種類や段階

膀胱がんのうち90%以上は尿路上皮がんです。まれに扁平上皮がん、腺がんの場合があります。

【種類】
膀胱がんは、がん細胞の浸潤の状態によって次のように分類されます。

■筋層非浸潤性膀胱がん:がん細胞が上皮にとどまっているもの。その多くは表在性がんですが、特殊なタイプとして上皮内がんがあります。
・表在性がん:膀胱の内腔に向かって突き出たがん。カリフラワーやイソギンチャクのように表面がぶつぶつと隆起している様子から、乳頭状がんともよばれます。表在性がんの多くは浸潤しないがんですが、中には進行して浸潤がんになるリスクを持つ悪性度の高いタイプも存在します。
・上皮内がん(CIS):内腔には突き出ず、上皮のみががん化したもの。膀胱がんの上皮内がんは他の臓器の上皮内がんと違って悪性度が高く、放置すると早期に浸潤がんとなり転移することがあります。
■筋層浸潤性膀胱がん:上皮からがんが拡がって膀胱の筋層にまで浸潤したもの。
■転移性膀胱がん:他の臓器やリンパ節への転移がみられるもの。

【ステージ(病期)】
膀胱がんは、腫瘍の大きさや転移の有無によって5つに分類されます。

■0期:上皮内がん(Tis)、表在性がん(Ta)
■I期:がんが上皮下結合組織に浸潤しているが、膀胱筋層へは及ばず(T1)、リンパ節や別の臓器にも転移を認めないもの
■II期:がんが膀胱筋層まで浸潤し(T2)、かつリンパ節や別の臓器に転移を認めないもの
■III期:がんが筋層を越え、膀胱周囲脂肪組織への浸潤が想定される(T3)が、リンパ節や別の臓器に転移を認めないもの。または、前立腺、精嚢、子宮または膣への浸潤が認められる(T4a)が、他の臓器やリンパ節には転移を認めないもの
■IV期:リンパ節転移があるか、別の臓器に転移が認められるもの。または、リンパ節転移や臓器転移は認められなくても骨盤壁あるいは腹膜へがんが浸潤しているもの(T4b)

検査 - 病気の特定方法

尿検査 病気の有無

尿中に含まれる成分を調べることにより、腎臓や膀胱、尿路などの臓器の異常を調べることのできる検査です。尿検査では一般的に、色や比重、PH、蛋白、糖、ウロビリノーゲン、潜血、ケトン体、比重、亜硝酸酸塩などの成分を調べます。
細長い、スティック状の試薬を染み込ませた尿検査紙を使用して、その色の変化をみることにより、尿の成分に異常がないかどうかをおおまかに調べることができます。
早朝以外の、随時採取される中間尿を検査用に使用することが多いです。
また、異常がみられた場合、さらに詳しく検査を行うために、尿沈渣の顕微鏡による検査を行うこともあります。
尿を遠心分離機にかけ、沈殿した成分に赤血球や白血球、細菌、そのほか異常な細胞などがみられないかを観察します。

膀胱鏡検査 重症度の確認確定診断

膀胱鏡(膀胱の内視鏡)を尿道から膀胱に挿入し、がんの発生部位、大きさ、数、形状などを直接観察して調べる検査です。筋層非浸潤性がんか、筋層浸潤性がんかの大まかな診断ができます。
通常は外来で、局所麻酔をして行います。

病理検査 (細胞診) 確定診断

尿中にある細胞を顕微鏡で直接観察することで、がん細胞がないかどうかを目視で調べる検査です。
内視鏡ではわかりにくい上皮内がんに対する感度は高い場合があります。

超音波検査 (画像検査) 病気の有無

超音波をからだに当てることで、臓器や組織にぶつかり、はね返ってくる信号を受信することで、臓器などの様子を画像化する検査です。エコー検査とよばれることもあります。
組織の状態によって反射して戻ってくる信号が変化したものが画像に映しだされるため、腫瘍や炎症の有無などの異常を調べることができます。
場合によっては、食事の制限や排尿しないように注意されることがありますので、事前の説明を聞いておきましょう。

CT検査 (画像検査) 重症度の確認

からだの内部に20分ほどエックス線の照射を行い、からだの内部を輪切りにした断層撮影を行うことで、撮影した画像を元に診断を行う検査です。
必要に応じて造影剤を使用して検査を行う場合もあるため、ヨードアレルギーのある方は、あらかじめ医師に申しでるようにしましょう。
また、磁気を使用しないため、体内にペースメーカーなどの金属が入っている方も検査ができますが、エックス線を使用した検査のため、ごく微量ながらも放射線被爆をともないます。食事制限が必要な場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
膀胱鏡検査や尿細胞診検査で、がんが認められた場合に行います。また周辺臓器への拡がりや、リンパ節転移、他の臓器への遠隔転移の有無を調べることができます。

CT尿路検査 (CTウログラフィー) 重症度の確認

膀胱がんが疑われる場合、同じ尿路上皮で覆われている腎盂や尿管にもがんが発生している可能性があるため、マルチスライス造影CTという三次元的に画像を撮影することができる装置を使って病変の有無を調べます。
ヨード系造影剤を使うため、ヨード過敏症の方は注意が必要です。

経静脈性腎盂造影検査 (画像検査) 重症度の確認

静脈から造影剤の入った薬を点滴し、腎臓から排泄される様子をエックス線撮影し、腎盂の機能を調べる検査です。
薬の点滴前と後の2種類のエックス線撮影を行います。
すべての検査は90分程度かかるほか、検査の3時間前から食事は摂れません。また、検査後は造影剤をからだの外に出すためにたくさん水を飲む必要があります。
造影剤にはヨードが含まれるためヨードアレルギーがある方は検査を行えない場合があります。

MRI検査 (核磁気共鳴検査、画像検査) 重症度の確認

電磁波、磁力を利用してからだの断面図を約20~40分にかけて撮影し、周辺臓器への転移を確認する検査です。からだの内部をさまざまな角度で輪切りにすることにより診断を行います。からだへの負担が比較的少ない検査ですが、ペースメーカーなど体内に金属を埋め込んでいる方、閉所恐怖症の方などには実施できない場合がありますので、前もって確認しておきましょう。
この検査では、がんの浸潤の程度や進行度を調べることができます。膀胱鏡検査や尿細胞診検査で、がんが認められた場合に行います。

骨シンチグラフィ (核医学検査) 重症度の確認

アイソトープとよばれる放射性物質を静脈に注射し、その取りこまれ方を調べることで、骨の炎症部分やがんがある場所などを発見するための検査です。エックス線検査よりも早期発見が可能といわれ、治療の経過の確認でも欠かせない検査方法だといわれます。
放射性物質の薬が骨の炎症や骨折している部位に集まる性質を利用します。体内から放出される放射線を検出して画像化を行うことで、がんや転移した部位を発見することができるとされています。
疲労骨折や骨粗しょう症による骨折、骨腫瘍や炎症性疾患を全身にわたって調べることができます。脊椎に腫瘍が転移した可能性がある場合は、どこに転移したのかを1回の検査で全身を調べることができるため、とても有用だとされます。通常は薬が全身に行き渡るまで約3時間、その後の撮影に約30分が必要で、やや時間のかかる検査とされています。薬の投与後に休息時間などがあるため事前に確認しておきましょう。

経尿道的膀胱腫瘍切除術 (TUR-Bt) 重症度の確認確定診断

膀胱内に腫瘍が認められた場合に、専用の膀胱鏡で切除し、顕微鏡で調べます。がんの浸潤の度合を正確に調べるのに必要不可欠な検査です。
表在性膀胱がんの場合はこの方法で切除できる可能性もあります。検査は入院をし、麻酔を施して行います。

腫瘍マーカー検査 (血液検査) 確定診断

血液や尿中に、腫瘍マーカーという、がんの進行とともに増加する物質を測定することで、がんの有無の推定をおこなう検査です。
腫瘍マーカーには、がんがない状態でも数値が高くでたり、その逆の場合もあるため、一般的には腫瘍マーカー検査のみでがんの有無を断定することはありません。他の治療法に比べて検査が容易で、費用が安いなどのメリットがありますが、あくまでも診断のための補助的な検査として行い、他の検査と併用することで診断を行うことが多いとされます。
膀胱がんが強く疑われる場合、診断の補助として、尿中のNMP22、BTAtestの2種類の腫瘍マーカーを測定することがあります。また、これらは保険適応となります。

膀胱がんになった人の様子や痛みなどの自覚症状は?

健康診断で血尿があり精密検査をするように言われたため、検査入院をして精密検査をした。 精密検査の結果、膀胱がんが確認されたので手術をするこ...

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血尿が出てそれが1か月ほど出たりでなかったりを繰り返して最後のは真っ赤な血尿が大量に出て病院を探し診察を受けた。X線検査でがんの疑いが診断さ...

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1998年6月に突然血尿が出て、泌尿器科の医院で受診。市立病院で精密検査を受けるように言われて受診の結果、入院して手術を受けることになり、仕...

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予後 - 治療の経過と再発

治療後フォローと再発

初期治療後は、通常3か月後に膀胱鏡検査、尿細胞診検査を行い、その後はリスク別に通院の間隔が変わります。
膀胱を摘出した場合の局所再発は約20%といわれています。術後2年間は3~6ヶ月ごと、その後は1年ごとに検査を行い、転移の有無や、新しい膀胱が機能しているか、腎障害が出ていないかなどを定期的にチェックします。
膀胱を摘出した場合は尿路変更術を行いますので、排尿の管理法や生活上の留意点などについて医師や看護師から説明を受けましょう。人工膀胱に関するケア(ストーマケア)を行っている病院もあります。また、男性の場合は性機能に障害が出ることもありますが、治療やリハビリテーションによって一部回復する可能性もあります。

合併症と転移

膀胱と同様に、尿路上皮粘膜のある腎盂、尿管、前立腺部尿道といった他の尿路に合併することや、リンパ節、肝臓、肺、骨、副腎、脳に転移することが多いとされます。転移が確認されたときは全身抗がん剤治療や放射線治療が行われますが、一人ひとり状態が異なるため、症状や体調、希望に応じて治療方針を決めていきます。

膀胱がんを経験した人からのアドバイス

困ったことは多くあるため文章的に細かいことは表現しにくい。まあ第一は仕事が続けにくくなり、転職などで経済的に苦しくなった...

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早期発見、早期治療を実感しました。困ったことはありませんでした。繰り返しになりますが、早期発見・早期治療が「がん」に対し...

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参照元:(膀胱癌診療ガイドライン2015年版日本泌尿器科学会医学図書出版2015年http://www.urol.or.jp/info/guideline/data/01_bladder_cancer_2015.pdf(閲覧日:2016年2月29日),がん情報サービスhttp://ganjoho.jp/public/cancer/bladder/index.html(閲覧日:2016年2月29日),慶應義塾大学病院医療・健康情報サイトhttp://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000255.html(閲覧日:2016年2月29日),東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科http://www.tmd.ac.jp/med/uro/practice/disease/bt.html(閲覧日:2016年2月29日),医薬品医療機器総合機構Pmdahttp://www.pmda.go.jp/(閲覧日:2016年2月29日))

治療ノートは診療ガイドラインや厚生労働省のウェブサイトからコンテンツを作成しております。情報の正確性、治療法の選択肢の幅には細心の注意を払っておりますが、間違いを見つけた方、別の治療法をご存知の方は、お問い合わせフォームよりお知らせ下さい。実際の治療は医師とよく相談したうえで行ってください。

治療ノートの編集方針

更新日:2016年12月27日

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