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うつ病の受給事例と初診日が変わってしまう『相当因果関係』とは〜「障害年金専門の社労士が語る! 障害年金の受給事例と注意点」連載コラム第1回〜

障害年金の受給。どうやったらいいかわからず困っている方も多いのでは? そんな時、前例があると参考になるはず。今回より障害年金の受給例を連載コラムとして、実際に相談のあった話を基に腕利きの社会保険労務士・赤岩幸一さんにご紹介していただきます。初回は受給事例の紹介と相当因果関係についてご説明いただきます。また実際に赤岩さんへの相談も受け付けています。詳細は、記事の末尾をご確認ください。

うつ病の受給事例と初診日が変わってしまう『相当因果関係』とは〜「障害年金専門の社労士が語る!  障害年金の受給事例と注意点」連載コラム第1回〜


最初は糖尿病から


Aさんは50歳代の男性でかなり重いうつ病の様でした。


そこでAさんの友人のBさんより電話相談を受けました。


Bさんの話では、Aさんは勤めをしていた数年前に持病の糖尿病から腎症になりそれが悪化して入院することになりました。


Aさんはこの入院前頃から病気を悲観的にとらえ、うつ症状だったそうです。




退職を迫られることに


その後、入院中からしばらくは健康保険の傷病手当金を受けていました。


そして入院中に、会社の上司が来ていろいろな理由を付けて退職を迫ってきて、Aさんはやむなく退職に同意したそうです。


しかし、離職理由が会社都合ではなく、自己都合になっていたことにショックを受け、人間不信に。


また、腎症もこれ以上悪化すると人工透析になると聞き、将来に絶望しうつ病が急激に悪化したようです。




Bさんとともに相談に


腎症はだいぶ改善され、退院になりましたが、うつ病は改善されないままだったそうです。


傷病手当金の給付も終わり、依然としてうつ病も良くならなく働けないので「障害年金」を受給したいと友人のBさんがAさんを連れて相談に来られました。


相談で問題になったのは、Aさんが愛の手帳(4度)を持っていることです。


Aさんは子供の頃特殊学級に行っていたことがあり、その時の校長先生の証明で、知的障害で愛の手帳を取得したようです。


愛の手帳を取得しようと思った理由は、将来仕事が無くなったときに、障害者枠での就職ができて有利だからと仕事仲間から聞いたからだそうです。




障害年金でのうつ病・知的障害との関係


「障害年金」でのうつ病と知的障害との関係ですが、知的障害や発達障害と診断された者に後からうつ病が発症した場合は、知的障害や発達障害が起因して発症したという考え方が一般的であることから「同一傷病」とすると厚生労働省は回答しています。


Aさんの場合、知的障害は軽く、うつ病になる前は後輩に仕事を教えたりしてリーダー的役割をしていましたので、そのことも申立書で訴えました。


そして、うつ病の初診日は厚生年金の期間でしたので、障害厚生年金で請求をしました。


やはり後日、年金機構より「うつ病は知的障害と相当因果関係が在り、20歳前障害であると判断される」との通知が来て、「国民年金」の障害基礎年金での請求になってしまいました。


結果は障害基礎年金2級に認定されました。


年金額は、780,100円(月額65,000円)です。




「相当因果関係」とは


では、「相当因果関係」についてご説明します。


「相当因果関係」とは「前の病気や負傷がなかったならば、あとの病気が起こらなかったであろう」という関係を言います。


これは障害年金を請求するときの初診日の確定に大きくかかわってきますので、すごく重要です。


先に挙げた事例のように、初診日が20歳前になってしまったために、厚生年金で請求できず、国民年金での請求になりました。


「相当因果関係あり」


ここで相当因果関係ありとして取り扱われることが多いものをあげてみます。


●糖尿病と糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性壊死症(糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉鎖症)

●糸球体腎炎(ネフローゼを含む)、多発性のう胞腎、慢性腎炎に罹患し、その後慢性腎不全を生じたもの(両者の期間が長いものであっても)

●肝炎と肝硬変

●結核の化学療法による副作用として聴力障害を生じた場合

●手術等による輸血により肝炎を併発した場合

●ステロイドの投薬による副作用で大腿骨頭無腐性壊死が生じたことが明らかな場合

●事故または脳血管疾患による精神障害がある場合

●肺疾患に罹患し手術を行い、その後呼吸不全を生じたもの(肺手術と呼吸不全発生までの期間が長いものであっても)

●転移性悪性新生物で、原発とされるものと組織上一致するか否か、転移であることを確認できたもの


以上のものは、相当因果関係ありとして取り扱うものです。


「相当因果関係なし」


次に相当因果関係なしとして取り扱われることが多いものは


●高血圧と脳出血又は脳梗塞

●近視と黄斑部変性、網膜剥離または視神経萎縮

●糖尿病と脳出血又は脳梗塞


以上のものは相当因果関係なしとして取り扱うとしています。


医学的には、高血圧と脳出血は因果関係がありますが、障害認定基準における相当因果関係はなしとされます。


例えば、糖尿病性腎症は糖尿病に起因するものであり、相当因果関係があるので糖尿病性腎症の初診日は、糖尿病の初診日になります。




まとめ


相当因果関係は専門的になりますが、初診日に係る大変重要なところですので注意が必要です。


ここも専門家に相談するのが良いと思います。


次回は、精神にかかわる「障害等級の目安」の表が今年の9月に発表されましたので説明します。


また以前、障害年金について説明している連載コラム(全5回)もあります。ぜひご利用ください。


『社会保険労務士が伝授! 障害年金の知っておきたい活用法』



「障害年金」のこと、お気軽にご相談ください!


このコラムの執筆者であり、腕利きの社会保険労務士・赤岩先生による「無料」のメール相談を受け付けています。件名を「治療ノート」として下記の項目をご記入のうえ「ohji.sr@gmail.com」まで送信してください(不明な項目はご記入いただかなくても結構です)


① お名前

② 生年月日(ご年齢)

③ 電話番号

④ お住まいの都道府県

⑤ 病名(あるいは症状)

⑥ 上記⑤に関連して初めて医療機関を受診した日(初診日)

⑦ 現在の障害状態(障害者手帳の等級、あるいは日常生活で困っていることなど)

⑧ 初診日の時点での加入年金制度の種類(国民年金 or 厚生年金 or 共済年金)と加入状況


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プロフィール

赤岩 幸一(あかいわこういち)
赤岩 幸一(あかいわこういち)
社会保険労務士/1966年 早稲田大学政治経済学部卒業。2015年 赤岩社会保険労務士事務所開設。同年、王子障害年金サポートセンター開設。障害年金の相談多数。病院で患者さん対象の「やさしい障害年金の話」勉強会、病院ソーシャルワーカーさんの会で「障害年金のセミナー」、看護師さんのグループでの「障害年金の勉強会」など障害年金の認知度を上げる活動に注力している。2016年 NPO法人ジョムスン副理事長兼務。お問い合わせはこちら→http://shougai-tokyo.com/