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セルフメディケーション税制とは? 1年間の薬代が税控除対象に

普段購入するお薬のレシートや領収書は、きちんと保管しておいた方がよさそうです。 平成29年1月1日から新しくスタートする"セルフメディケーション税制"。 この制度により、私たちの医薬品に関係する税金控除のハードルが低くなります。 例えば、胃腸薬や風邪薬など、最寄りのドラッグストアで手軽に購入できるお薬。 このような少額のお薬代は医療費控除の対象になりませんでした。 毎年、そこそこのお薬代がかかっていた人にとって、その分が節税対象になるというのは、とてもありがたいことでしょう。 ただし、このセルフメディケーション税制には少し細かなルールがあるので、対象の人が確定申告の時に迷わないよう、ここで新制度のしくみや注意点を押えておきたいと思います。

掲載日:2016年12月07日

セルフメディケーション税制とは? 1年間の薬代が税控除対象に


セルフメディケーションとは?


今、日本では超高齢化社会を迎えようとしていて、それに伴って国民全体の医療費が増大しています。


厚生労働省の医療費動向調査では、約10年前の平成18年では約32兆円だった医療費が、平成27年度には約41.5兆円に上昇しました。


まさにこの国の医療費負担は、うなぎ上りの状態だといえるでしょう。


そういう背景から、可能な限り国民の医療費負担を抑えるべく取り入れられたのが、今回のテーマ"セルフメディケーション税制"です。


この税制は「病院にかからないで済むレベルの症状であれば、自分で治して症状を管理しよう。その代り、お薬代については税金を控除しますよ。」という考えの基に作られたものです。


WHO(世界保健機関)でも"自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする"というセルフメディケーションの考えを定義しています。


そうすることで私たち自身が、病気に関する知識を深められることになり、普段からの健康管理の意識が高まるため、病気の予防にも繋がるという考えもあります。


我々一般市民からすると変な丸投げ感を少し感じてしまいますが、導入されるのであれば、そのしくみを十分に知っておかないといけません。


医療費控除よりも身近になる制度だと思いますので、まずは、次のお話を読んでもらい、セルフメディケーション税制の適用対象について知っていただきたいと思います。




セルフメディケーション税制の適用対象


セルフメディケーション税制とは、1年間の間にスイッチOTC医薬品を購入した場合、その購入額の一定金額を税金から控除できるという制度です。


購入したお薬のレシートや領収書を保管しておき、確定申告時に申請すれば、課税対象所得額を減らすことができます。



適用対象の医薬品、スイッチOTC医薬品とは?


スイッチOTC医薬品とは、一般用医薬品もしくは要指導医薬品のうち医療用医薬品から市販薬へ転用されたお薬のことをいいます。


お医者さんが処方するお薬ではなくて、ドラッグストアや薬局で処方せん無しで購入できるよう転用された医薬品のことです。


★対象のスイッチOTC医薬品名目

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000139974.pdf


お薬といっても、スイッチOTCに該当するのは飲み薬だけではありません。


傷の手当に使う消毒液や、シップのような貼る医薬品もスイッチOTC医薬品に含まれているものがあるため、幅広い商品が該当します。


念のため、医薬品だろうと思われる物は、購入した時忘れずにレシートを保管した方がいいですね。


ちなみに対象の医薬品にはシンボルマークがお薬に記載されますので、控除対象かどうかをマークで確かめるといいでしょう。


★対象製品パッケージに表示する共通識別マーク

http://www.jsmi.jp/what/index3.html



制度の対象世帯は?


セルフメディケーション税制の対象について箇条書きでまとめました。


● 制度対象のOTC医薬品を、年間で12,000円を超えて購入している場合(扶養家族分を合わせて)


● 所得税・住民税の納税者


● 1年の間に、特定健診、予防接種、がん検診、健康診断、定期健康診断のいずれかを行っている場合


上記の3つすべての条件を満たしている人が、制度の対象になります。




セルフメディケーション税制の節税額はどのくらい?


セルフメディケーション税制の税金控除額の計算方法を、説明したいと思います。


計算式は、OTC医薬品購入額から12,000円を引いた金額に、所得税および住民税を掛けるだけです。


例えば1年間のOTC医薬品購入額が3万円だったとしたら、


● 国税所得税(所得税率20%のケース)
(30,000円ー12,000円)×20%=3,600円


● 住民税10%
(30,000円ー12,000円)×10%=1,800円


● 合計
 3,600円+1,800円=5,400円


国税所得税と住民税合わせて5,400円、課税額から減税されることになります。


ちなみに上限は8万8,000円までとされており、これを超える金額分は対象になりません。


以上が、セルフメディケーション税制の計算方法です。少しでも所得税を節税できるのはありがたいですね。対象世帯に当てはまる人は、ぜひ計算方法を覚えておきましょう。




セルフメディケーション税制と医療費控除との違い


これまでにも医療費控除という税控除の制度はありました。


従来からある医療費控除でも、自己負担したお薬代は控除されましたが、今回のセルフメディケーション税制と何が違うのでしょうか?



少額のお薬代でも税金控除が適用に


医療費控除でもOTC薬の税控除は可能なのですが、1年間に医療費で使った金額が10万円を超えていないと税控除の対象にはなりません。


年間1万円を切るような少額のお薬代などは、医療費控除の対象にはならなかったのです。


つまり、これまでの医療費控除というのは、入院や長期に渡っての通院、自宅往診を受けている症状が重たい患者さんなど、年間の医療費が10万円を超えるような人を対象とした制度でした。


それと比較すれば今回のセルフメディケーション税制は、年間12,000円以上であれば、10万円に満たない少額のお薬代でも税金の控除ができるようになるので、幅広い人が制度を利用できるようになるわけです。


ちなみに、年間の医療費が10万円を超えている場合は、どちらか控除額が大きい方の制度を選ぶことができます(同時利用はできません)。


最後に、2つの制度の違いを、それぞれ箇条書きで整理しましたので、比較してみてください。



セルフメディケーション税制


● 上限→最高で88,000円
● 対象金額→12,000円を超える金額
● 対象医療費→スイッチOTC医薬品


医療費控除


● 上限→最高で200万円
● 対象金額→最低10万円を超える金額
● 対象医療費→治療名目の医療費全般


セルフメディケーション税制は少額医療費向けの制度で、通常の医療費控除は高額医療費向けの制度ということが分かります。




確定申告で申請を!新税制の申告方法について



確定申告の前に用意する、医薬品のレシートや領収書について。

次の5つの項目が、必ず記載されている必要があります。



セルフメディケーション税制に申請するレシートや領収書の必要記載事項


1.医薬品の名称
2.購入金額
3.セルフメディケーション対象医薬品であるという旨
4.販売店の名前
5.購入日の明記


この5つの項目がレシートや領収書に記載されて揃っていないと、確定申告の時に申請書類として認められません。


特に注意したいのが、3番のセルフメディケーション対象医薬品であることの旨についての項目です。


レジに今回の新税制対策を導入していないお店とかでは、レシートに記載がない場合もあると思います。


その場合は、レシート以外に領収書の発行をお願いして、そこに必要事項を記入してもらいましょう。



制度申告の方法


確定申告書の「所得から差し引かれる金額」というところの該当項目に、計算後の金額を記入するだけです。


医療費のレシートや領収書は、封筒に入れて確定申告書と一緒に提出することになるでしょう。


ちなみにサラリーマンの場合だと通常なら確定申告入りませんが、医療費のいずれかの控除を受ける場合は、きちんと申告をする必要がありますので注意してください。




まとめ


少額のお薬代が税金で控除になるというのは、少しは私たちの家計の助けになりますよね?


特に、普段から定期的にお薬を購入する必要がある人は、領収書を保管しておけば、課税所得額をその分減らせます。


控除できる金額は正直なところ少ないですが、確定申告には他にも控除できる項目はありますので、それらと合算して少しでも損をすることの無いよう、節税をしていきましょう。



参考情報:

OTC医薬品の医療費控除制度(日本OTC医薬品協会)

http://www.jsmi.jp/what/index3.html

セルフメディケーションとは(第一三共ヘルスケア)

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/self/

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html

No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)(国税庁)

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1120.htm

セルフメディケーション税制(タケダ健康サイト)

http://takeda-kenko.jp/kenkolife/kusuri/tax_deduction.html

医療費の動向調査(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/iryou_doukou.html

OTC医薬品とは(日本OTC医薬品協会)

http://www.jsmi.jp/book/otc_01.html


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治療ノート編集部
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