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腸は心の鏡!腸内環境の改善がうつ病発症のリスクを軽減する

今や15人に1人がかかるとされる「うつ病」。心と体のバランスが崩れ、落ち込む、やる気がでない、眠れないなどの精神障害に悩まされ、さまざまな治療で回復を促しています。そんなうつ病との関連で最近着目されているのは「腸内細菌」。腸内環境、腸内フローラという言葉もよく耳にしますよね。うつ病の方の多くは善玉菌が少なく、腸内環境が悪いという研究結果から、腸内細菌を良好な状態に導くことで、発症そのものを抑制することが解明されつつあります。 今回は、腸内環境の改善でうつ病が回復するメカニズムについてご紹介します。

掲載日:2017年03月13日

腸は心の鏡!腸内環境の改善がうつ病発症のリスクを軽減する


どんな人がうつ病にかかる? 


勤勉な人ほど陥りやすいうつ病。ひとたび発症すると、日常生活を取り戻すまでに大変な時間をかけることになります。日本には100万人以上の患者がいるとされています。


うつ病を発症しやすい性格について、大きく3つに分類しています。


循環型

陰陽の波が循環している人。キレやすい性格の持ち主


執着型

几帳面で何事にも完璧を求める人。真面目ゆえにストレスを抱え込みやすい


メランコリー親和型

ルールから逸れることを嫌い、気を遣いすぎる傾向がある人




うつ病の原因や症状とは? 


そもそもうつ病とはどのような病気なのでしょうか? 症状や原因を知った上で、腸内細菌との関連を見ていきましょう。


うつ病を引き起こす原因は、本来その人が持っている性格が大きく影響しており、幼い頃の体験がトラウマとなって起こることもあります。遺伝的要素も指摘されています。


ストレスはうつ病と深い関連があり、治したい焦燥感がかえってうつ病を悪化させてしまいます。余計に落ち込み、それがストレスに感じ、さらに症状が進むという負の連鎖に陥るのです。


物事の感じ方や受け取り方は人それぞれで、些細なことでも気に留める人はストレスを溜め込みやすいでしょう。


脳内神経伝達物質・セロトニンは、精神安定に作用しています。うつ病を発症するのは、セロトニンが極端に減ってしまうためです。


セロトニンは、充足感や幸福感を得るために必要な物質ですから、分泌量低下は精神不安を起こすのです。


初期症状は、全身倦怠感・めまい・不眠などです。


症状が進行するに従って、記憶力や集中力の低下・悲壮感・喪失感・虚脱感などの気分障害、精神症状が強く現れます。


精神症状は重くなりやすく、死にたいなどと口にするようになり、被害妄想や引きこもりなどの不安障害も懸念されるのです。


初期症状のうちに治療を開始するのが理想ではあるものの、症状が進行しないと見つけにくい病気なのです。診断までに時間がかかるのも特徴でしょう。


うつ病の詳細は「治療ノート うつ病」へ




腸内の菌の種類や働きについて覚えておこう


腸内には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類があります。


善玉菌

体を健やかな状態に保つため、免疫機能向上や感染症予防にも役立ちます。(例:ビフィズス菌・乳酸菌)


悪玉菌

腸内環境を悪化させる要因で、時には発がんの引き金ともなるものです。(例:大腸菌・ウェルシュ菌・ブドウ球菌)


日和見菌

腸内に常在し、健康状態が良好なときは特別作用することはありません。(例:大腸菌(無毒株)・連鎖球菌)




腸内環境改善とうつ病の関連とは? 


腸内にある善玉菌の不足は、うつ病リスクを高めるとの報告が、株式会社ヤクルトと国立研究法人 国立精神・神経医療研究センターによって公表されました。


通常、腸内細菌は100兆個、1000種類以上存在しています。これらが作用し、食事摂取・ビタミンとタンパク質の合成・外敵の侵入防止に役立っています。


では、腸内環境とうつ病にはどのような関わりがあるのでしょうか? 


腸内の悪玉菌が増えすぎると、有害物質を増やしさまざまな疾患を招きます。腸内環境は体調に大きく関わっています。うつ病の方が便秘や下痢などの不快症状を引きおこす過敏性腸症群を併発する割合は、そうでない方に比べ高くなるという結果も出ています。


腸の不調は、セロトニンが関連しています。


実は、脳内神経伝達物質であるセロトニンは、脳に2%、腸に90%存在しています。腸内環境が悪いと、血液脳関門をうまく通り抜けられず、脳まで到達することができません。


セロトニンを脳へ運ぶのは、善玉菌の役割です。善玉菌の増殖が、うつ病改善への鍵となるでしょう。


腸内環境改善とうつ病の関連は、これまで目を向けられることはなかったのですが、近年研究が進むとともにその重要性がわかってきています。




腸内環境改善にはどうすべき? 


腸内環境改善には、食生活の見直しが最も有効な策です。バランスの良い食事を心がけてください。


また、ストレスは悪玉菌の増殖を招くため、気分転換やリラックスするゆとりを持ちましょう。


うつ病の治療には薬を服用しますが、副作用を考慮する意味でも、投薬より腸内環境の正常化が最優先とする医師も増えてきています。


善玉菌の増殖は、腸内環境を改善するとともに、免疫力向上にもつながります。心も体も元気になれるメリットがあるのです。




腸内環境を改善する食べ物や生活習慣について



腸内環境正常化には、悪玉菌を減らして善玉菌を増殖させる食べ物を摂ることが重要です。ビフィズス菌と乳酸菌の2つを含む食品を意識してみてください。


●ヨーグルト

●納豆や味噌などの発酵食品

●乳酸菌飲料

●オリゴ糖(なるべく純度の高いものを選んでください)


上記の食品に加え、食物繊維と水分摂取を意識してください。便通を良くするためにこの2つが必要ですから、食生活の改善と合わせて実行してみましょう。


すぐに成果が得られないからと諦めず、継続することが大切です。


生活習慣で気をつけたいのは、規則正しい生活リズムを保つことです。睡眠は十分に取り、過度の飲酒は避けます。


生活リズムが狂うと自律神経の不調を招き、腸の働きが悪くなります。ゆえに、生活習慣の見直しが重要になるのです。


適度な運動も腸を刺激しますから、毎日少しでも体を動かすようにしてください。




腸内環境を整える上で注意したいこと


お菓子や脂質の多い食べ物を摂る習慣があるなら、なるべく控えるようにしてください。


悪玉菌増殖を加速させ、腸内環境悪化につながります。うつ病発症リスクが上がり、発症後に腸内環境改善と治療をしようとも、こうした習慣を見直さない限り、回復の兆しは見えないでしょう。


肉中心の食生活であるなら、和食でヘルシーなメニューに変更してみてください。




効率よく善玉菌を増やすには? 


サプリメントで効率よく善玉菌を得ることはできます。食生活の管理が難しい、生活習慣を変えているゆとりがない、メニューを考えるのが面倒という方におすすめです。


サプリメントはあくまでも健康補助食品であり、補助的に使うことが理想です。腸内環境改善を感じられるものですが、頼りすぎた生活は避けるようにしてください。




まとめ


うつ病は、周囲から認知されにくく、患者が追い込まれてしまう病気です。しかし、近年は忙しい人や勤勉な人も発症しやすく、ストレスが大きな要因となっています。


ストレスは腸内環境を悪くし、分泌されたセロトニンが脳まで届かないことで、うつ病発症リスクを高めるとの報告がなされています。


腸内環境は、免疫力向上にも関わっていますから、健康を維持する意味でも改善を促すことが理想でしょう。発酵食品を取り入れた食事と規則正しい生活、適度な運動を心がけてください。


暴飲暴食や過度のアルコールは、腸内環境を悪くするため、なるべく避けるようにします。


セロトニンの分泌を阻害する腸内環境悪化と、うつ病との関連についてご説明しました。心身の健康を写す鏡として腸内環境に意識を傾けましょう。


健康的な生活を意識し、ストレスを抱え込まないようにすることが大切です。



参考情報:

腸内の善玉菌が少ないとうつ病リスクが高いことを明らかに(ヤクルト)

http://www.yakult.co.jp/news/article.php?num=985

やっぱり!? 腸内「善玉菌」が少ない人ほど…(毎日新聞)

http://mainichi.jp/articles/20160618/k00/00e/040/181000c

「腸内フローラって、何?」ビオフェルミン製薬株式会社

http://www.biofermin.co.jp/nyusankin/choflora/

「乳酸菌ラボ」フジッコ株式会社

http://cremoris.fujicco.co.jp/

wisdom ~脳と腸~ 日本電気株式会社(NEC)

https://www.blwisdom.com/linkbusiness/linktime/future/item/8636.html



著者情報

治療ノート編集部
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