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ストレス対処に向けてできること「コーピング」と「マインドフルネス」〜「聞きたかった!メンタルヘルスのはなし」第21回〜

うつ病など精神疾患に、ストレスは大敵です。しかし、どうやってストレスを除去・発散したら良いのかわからない方も多いのではないでしょうか? ピアサポーターの黒川常治さんの連載コラム『聞きたかった!メンタルヘルスのはなし』第21回は、ストレス対処の方法「コーピング」「マインドフルネス」をご紹介いただきます。自分にあった方法を見つけてみましょう。ご意見ご感想もお待ちしております!

掲載日:2016年11月02日

ストレス対処に向けてできること「コーピング」と「マインドフルネス」〜「聞きたかった!メンタルヘルスのはなし」第21回〜


ストレス対処に向けてできることは?


前回のコラムでは「ヘルスケア」で自分を見つめることに触れましたが、今回はその先のストレス対処に向けてできることに触れたいと思います。




「コーピング」について


「コーピング」これは気分転換をする際にできることをリストアップしていく方法が在ります。


以前のコラムでも「リフレッシュ方法」はご紹介しましたが、もっと簡単で質素なものもあります。


カラオケや映画のような発散する方法もあれば、緑の中で風に当たるなど穏やかに過ごす方法もあります。昔の良かった思い出を思い返す方法でもいいですし、住宅の広告を見ながら「もし引越ししたら?」なんて想像する些細なことでもいいのです。


それをたくさんリストアップしておくのがいいのですが、文字に起こすのもしんどい場合があります。そんな時は、その方法に合う写真やイラストを用意・保存して見返して思い出し、実践してみるのがいいです。


人は毎日ストレスにさらされています。全てに当てはまるオールマイティな対処策はなかなかありません。


簡単にできることで構わないので、たくさんストレス対処の引き出しを用意しておきましょう。


僕の場合だと、スマホやPCから離れる日をつくったり、障害者手帳で無料で行ける範囲ですが、普段行かない街や路地に行くこと、銭湯に行くことなどです。




「マインドフルネス」について


そして、今世界中で注目され研究がすすみ、テレビや雑誌で話題になっているのが「マインドフルネス」です。


これは瞑想から宗教的要素を除いたものです。


ストレスに関係する「扁桃体」の活動を抑え、うつ病や認知症と深く関わりがあるとされる「海馬」の萎縮を改善する効果があるという研究結果もあります。


「マインドフルネス」は不安やストレスから起こる障害やうつ病患者の回復傾向の時にいいとされています。


ただし、いま病気が悪化している方にはオススメできません。心配な方は、主治医に相談してみましょう。




実践してみましょう!


集中できる場所の確保


それでは実践ですが、まずは安全な場所で、音や人など集中するのに邪魔するものがない環境を選びましょう。気温なども暑すぎず寒すぎず、じっとしていられるほどが望ましいです。


場所が確保できたらあぐらなどで座ります。少し背筋を伸ばすと床に当たっている骨盤が意識できると思います。


それを身体や肩などと骨盤をまっすぐにします。身体の歪みなども気付くことは大切です。


タイマーをセットして時間を決めておくのもいいでしょう。


意識を呼吸に


そして軽く瞼を閉じて、意識を呼吸に向けます。鼻で吸って、鼻で吐く。楽な呼吸のリズムで行なってください。


普段、人は胸で呼吸をしています。浅くても深くても構いません。その時の楽な呼吸で、息を吸えば胸が膨らみ、息を吐けば胸が縮む。吸って、吐いて。吸って、吐いて。意識を呼吸に集中していきます。


集中しづらい人は、初め音叉の音や、軽い金属音(仏壇のおリンなど)に頼ってもいいでしょう。無料の瞑想用のアプリなどもあります。


呼吸をしている「今」に意識を感じるのです。有名な映画のセリフ「Don’t think! Feel.」 です。


意識が呼吸に向けたら、少しずつ何か思い出されてくることがあります。


そういった色々なものに心や思考、そして脳や身体は振り回されているのです。その思い出されることから再び呼吸に意識を向けます。


吸って、吐いて、吸って、吐いて。意識を呼吸に戻します。これを繰り返します。


自分の体にも意識を


この呼吸に意識を向けていると、だんだん色々なものを感じれるようになります。


身体がポカポカしてきたり、筋肉がピクッと動いたり。また空気の流れを感じたり、普段は聞こえなかった小さな音に気付いたり。


そうしながら、今度は自分の身体にも意識を向けます。身体を内部からスキャンする感じです。


どこかに痛みや温かさなど感じるでしょうか。ここにも新しい「気づき」があると思います。


余裕のある時は、肩甲骨を狭めながら腹式呼吸をゆっくりとするのもいいとされています。


やがて、タイマーが鳴り、マインドフルネスを終了します。


何か気づきがあるでしょうか。穏やかだけど、意識がクリアになっていませんか?




無理せず行っていきましょう


こんな感じで、はじめは3分くらいから少しずつ増やしていければといいと思います。


無理してやる必要はありませんが、これを続けて行くと、色々なものに心や思考が囚われていたのが、今すべきこと、今やっていることに集中できるようになります。


毎日やっていくと、その変化にも気づきが生まれます。


また、今に集中できるようになることで、「嫌なことを棚に上げておく」というストレス対処もできるようになります。


嫌なことを受けた時はストレス反応が心にも身体にも起きますが、今考えなくていいことを棚にあげることとができれば、忘れるのも時間の問題です。


「マインドフルネス」で意識がクリアに


また「マインドフルネス」は、雑念が取れるため、意識がクリアになります。


そして雑念を客観的に見ることができるようになり、優先順位もつけられ、対応策も落ち着いて考えられるようになります。


自分の中に「目安」や「限度」も見えてきて、これも「ストレス対処」につながります。


慣れてきたら発展形も



この発展形として、「ウォーキングしながらマインドフルネス」や「ヨガをしながらマインドフルネス」ができるようになります。


ウォーキングは足と地面の密着面の感覚や体重の移動の感覚が出てきますし、ヨガでは呼吸をしながら身体を伸ばしたり、色々な姿勢で身体のアンバランス(左右差)を感じて気付くことができるので、とてもいいです。


さらにこれを続けていると、意識のチャンネルを変えることが意図的に出来やすくもなります。


また今自分が「何を食べたいか」「何をしたいか」「疲れているか」などを客観的に気付くことができるようになります。


自分の身体に聞いてみる、なんていうことが可能になります。




ご自分にあった方法を探してみてください


ここまで、僕なりの解釈の「マインドフルネス」をご紹介いたしましたが、専門の本、ウェブサイトなどでもたくさん紹介されています。


ぜひ、ご自分にあった「マインドフルネス」を探してみてください。


上級編は「コーピング」や「マインドフルネス」、「ピア・カウンセリング」「認知行動療法」「WRAP」を組み合わせていけば、うつ病などの再発も防ぎやすくなるかもしれません。


また、どんな療法にも相性やタイミングにより向き不向きがあるので、無理をなさらぬようご注意ください。


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プロフィール

黒川常治(くろかわじょうじ)
黒川常治(くろかわじょうじ)
1969年東京生まれ。グラフィックデザイナー、社会福祉法人巣立ち会・ピアスタッフ、ピアカウンセラー。株式会社DHC在籍時はロゴマーク、健康食品のパッケージデザインを担当。メンタルヘルスの啓発活動や講演活動も行う。著書:「焦らない,諦めない.」(やどかり出版)「当事者からの50のヒント+α」(PDF電子書籍 http://www.dlmarket.jp/products/detail/245569)