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ココロと身体のバランスのために… “セルフケア”のススメ 〜「聞きたかった!メンタルヘルスのはなし」第20回〜

とかくストレスに満ちた現代社会。過度なストレスや疲労からココロと身体のバランスが崩れ、メンタル不調を招くことは誰にでもありえます。長引く食欲不振や気持ちの落ち込みは単なる気分の問題ではなく、うつ病などの精神疾患が原因かもしれません。黒川常治さんの連載コラム『聞きたかった!メンタルヘルスのはなし』第20回は、ココロと身体の状態を適切にメンテナンスする“セルフケア”の方法をご紹介いただきます。ご意見ご感想もお待ちしております!

掲載日:2016年10月20日

ココロと身体のバランスのために… “セルフケア”のススメ 〜「聞きたかった!メンタルヘルスのはなし」第20回〜


知っているようで知らない“私”について


あなたの体調は今、どんな感じでしょうか? また、ココロはどんな状態でしょうか?


自分のことは意外にわからないものです。


身体やココロのバランス、乱れやストレスを知ることはメンタルヘルスにおいても大事なことです。今回は“セルフケア”についてわかりやすくお話ししたいと思います。




「今の自分」を知ることが出発点


今、何が考えや気持ちを支配していますか? 今、カラダは何を欲していますか? 自分を見つめてみましょう。と言っても、何から始めればいいかわかりませんよね。


まずは安全な場所(誰にも妨害されない場所)、無音で過ごせるところで楽な姿勢になりましょう。


そして目を閉じて、呼吸に意識を向けましょう。


胸で呼吸していますか? お腹で呼吸していますか? そんな時にまず浮かぶのは何ですか? どんな気持ちですか? どこか痛みますか? 素になった時に何があなたを包んでいるでしょうか? それを知ることが第一歩です。



今の自分はどんな気持ち?


自分のココロを取り出して外から見つめることはできません。でも、先ほどのように自分をシンプルな状態にもっていくことで、どんな気持ちでいるかは少しずつわかっていきます。


でも、そのことに慣れていない方は、混乱したり体調を崩すので、時間をかけすぎることはやめましょう。少しずつ、自分の気持ちを確かめましょう。


人の感情で先に出やすいのは「怒り」「嫌い(⇆好き過ぎ)」などでその感情に支配されやすいです。不安感や不快感というものは表に出やすい状態です。なんで不安か、なんで不快かまではわからないかもしれませんが、「あぁ、自分は今苛立ってる」などと把握することから始めましょう。思い通りにならないことも人を苦しめます。ストレスを抱えたりしていませんか?



自分の周りにあるものは?


あなたの周りにあるものは何でしょう? 周りにいる人はどんな人でしょう? 暮らしや生活に出てくる登場人物を書き出してみましょう。そして、その人はあなたの味方ですか? その逆ですか? 好きですか? 嫌いですか? 頼りになりますか? ストレスになっていますか? 少し整理してみましょう。私たちは意外といろんな人に支えられて生きているものです。



気持ちの根っこにあるものは…?


先ほど気持ちを振り返った時、自分をその気持ちにさせているのはなんでしょう?


もし自分を見つめることに慣れてきたら、落ち着いて振り返ってみましょう。もし振り返ることでイライラ感が増したり感情が高ぶってしまう場合は、気分転換を図り、見つめる先をテレビを見ることや、誰かと話すことで気をそらせましょう。


またひとりで振り返ることが難しければ、相談電話やカウンセリングなど信頼できる相手がいる状況下で自分を見つめましょう。もし振り返ることができれば、それがどうして起きているか、少し考えてみましょう。



身体はどうですか?


身体の状態はいかがですか? 便秘であったり、どこかに痛みがあったり気にかかることはないですか? 頭痛が拭えなかったりしませんか? 汗はかけていますか? 身体は冷えたりしていませんか? 身体のバランスなどはいかがですか? 取りにくい姿勢などはないですか?


些細なことで人の気分は左右されます。身体の問題を解決することで気持ちがラクになることもたくさんあります。また自分の身体を知るには健康診断を受けてみるのもよいでしょう。



困っていることを言葉にしていますか?


気持ちやその原因が見えて、その困りようは言葉として口で発せていますか? 言葉にできているかいないかでそれを抱える負担は変わっていきます。


また問題の解決の出発点は、困っていることを「言葉にできているか、どうか」です。


言葉にしない美徳などもありますが、そのことで気が落ち込んだり不安になるのであれば、思い切って口にしてみましょう。直接的に言えない場合もありますので、相談電話やカウンセリングなどで「こんなことで困っている!」と言えるだけでも、きっと自分に変化があるでしょう。



思いを口にした後の自分の変化は?


自分の困りごとを言葉にしてみた後、いかがですか?


少しすっきりしたとか、言ってみたらそんな大したことでもなかったなどあるかと思います。


また周りに変化はありましたか? その気持ちや周りの変化に目を向けてみてください。そしてその自分にしてあげられることは何かありませんか?


疲れを取るために休みをしっかりとる、お風呂にしっかり入る、気分によって聴く音楽を意識的に変える、おいしいものを食べる、医師に相談する、専門相談員に相談する、などなど…。



いくつかの対処策


それではもう少し、簡単にできる対処策の例をいくつか挙げてみましょう。


カラオケで好きな歌を歌う、軽くストレッチをする、スポーツをする、サウナや岩盤浴をする、散策をする、友達とおいしいものを食べながら話す、お笑い番組を見る、などです。


陥りやすい対処策としてアルコール(飲酒)タバコ(喫煙)があります。


一時的なものは効果がある場合もありますが、慣習になってしまうと健康にも被害があるので対処策としてはおすすめできません。



自分でできること、できないこと


自分が自分にしてあげられることには限界があります。


眠れない、気分の落ち込みが止まらないなど、お薬や医療のチカラを借りなければいけない場合もあります。


借金やトラブル、ハラスメントなど法的なチカラを借りなければいけないものもあります。


その場合は、ちゃんと人に頼りましょう


何かしら解決策はあるものです。日頃から自分にできることを重ねていくことは大事ですが、自分だけで何とかしようとしないでください。



自分を見るチカラがついてくると…


自分を見つめることができてくると、自分の中に“目盛り”のような基準ができてきます。「あぁ、今気持ちが楽だなぁ」「今はちょっと落ち込んでるなぁ」と変化に気づき、「疲れているから、考えすぎるのはやめて、早く寝よう」「焦りすぎているから、気を落ちかせよう」などと自分で対処できるようになります。また目盛りができても対処策が見当たらない場合は相談機関など有効に使いましょう。




問題の深刻化を防ぐ“セルフケア”


このように自分の調子や状態を把握し、適切に対処やメンテナンスしていくことを“セルフケア”と言います。


これができることで問題が深刻化することを防ぐことができます。


メンタルヘルスにおいても身体においても無理をすることなく、解決に向かって自ら行動できるようになります。


セルフケアと友人や家族からのケア、専門的なケアをうまく使い、ココロと身体のバランスを取っていきましょう。


皆さまのおかげでこのコラムも第20回を迎えることができました。ありがとうございます。ご質問やご意見、ご要望もお待ちしております。



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プロフィール

黒川常治(くろかわじょうじ)
黒川常治(くろかわじょうじ)
1969年東京生まれ。グラフィックデザイナー、社会福祉法人巣立ち会・ピアスタッフ、ピアカウンセラー。株式会社DHC在籍時はロゴマーク、健康食品のパッケージデザインを担当。メンタルヘルスの啓発活動や講演活動も行う。著書:「焦らない,諦めない.」(やどかり出版)「当事者からの50のヒント+α」(PDF電子書籍 http://www.dlmarket.jp/products/detail/245569)