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子宮頸がん、卵巣がん、乳がん… 婦人系がんの症状、治療法は? 早期発見が妊娠・出産へのカギ!

ひと口に「婦人系がん」といっても種類はさまざま。予防接種のニュースでよく耳にする子宮頸がんや子宮体がん、卵巣がん、そして小林麻央さんの闘病で再び注目を集めた乳がん…。婦人系のがんは妊娠や出産にも関わるため、出産希望を持つ女性が発症すると、強い不安や精神的ショックを伴う病気です。そんな婦人系がんのメカニズムや共通点、治療法はどんなものなのか? 実際の体験談を交えて解説します(写真はイメージです)

子宮頸がん、卵巣がん、乳がん… 婦人系がんの症状、治療法は? 早期発見が妊娠・出産へのカギ!


「婦人系がん」とは?


まず代表的なものが、予防接種ワクチンのニュースなどで広く知られるようになった子宮頸がん子宮の頸管部分に病変が起こるがんです。


そして子宮体がん。こちらは子宮内部に病変が起こるがんです。


子宮周辺でいうと最後に卵巣がん。その名の通り、卵巣に病変が起こるがんです。


そしてもう一つが最近、話題にのぼることが多い乳がん


小林麻央さんが若年性乳がんに罹患しているという報道があり話題を呼びました。北斗晶さんは、乳がん闘病生活の様子を現在もブログなどで発信しています。




原因はさまざま、婦人系がんのメカニズム


婦人系がんといっても、発症部位が違えば原因もさまざまです。


乳がんのメカニズムなどは以前こちらの記事でご紹介していますので、ここでは子宮がんと卵巣がんについてご紹介します。


まず子宮の入り口部分である子宮頸部に病変が起きる子宮頸がん。子宮頸がんの発がん因子として有名なのがヒトパピローマウイルスという、人間にイボを作るウイルスです。このウイルスには100種類以上の型があり、その一部が子宮頸がんを引き起こすといわれています。


そして子宮本体に病変が起きる子宮体がん。主に女性ホルモンのエストロゲンが関係していて、ホルモンバランスの崩れがリスクを高めると言われています。

最後に卵巣がん。こちらはまだはっきりとした原因がわかっていませんが、排卵が関係しているのではないかという説があるようです。また、家族歴がある、出産経験がないことなどが、発症リスクを高める可能性があります。




初期の自覚症状なし? 婦人系がんの共通点


がんの病変が起こる場所も、原因もバラバラの婦人系がんですが、以下の4つの共通点があります。



1.痛みなどの直接的な自覚症状がほとんどない


婦人系がんは、病変の痛みなど直接的な自覚症状がほとんどないのが特徴です。



2.何らかのサインがある


前述の通り、痛みなどの直接的自覚症状がほとんどない代わりに、直接的ではない“何らかのサイン”があります。


例えば乳がんであれば、しこりが気になったり、分泌物が出たり、時には出血したりというのが初期サイン。


子宮頸がん・子宮体がんであれば、不正出血、おりものの増加、異臭などが挙げられます。


ただし、卵巣がんについては、初期におけるサインがほぼなく、サイレントキラーと呼ばれるほど兆候を読み取るのが難しいとされています。



3.早期発見がカギ


自覚症状がほとんどない婦人系がんは、逆に言うと自覚症状が出てきてしまったら、がんが進行している傾向があります。自覚症状が出ていない時期の早期発見がカギとなってきます。



4.定期検診の推奨


子宮頸がん(20歳以上)と乳がん(40歳以上)については、公費補助によって自治体や職場が定期検診を行うことが定められています。また、近年増加傾向にある子宮体がんについても、ハイリスク者を対象とした検診を実施している地域もあります。


卵巣がんに関しては自己負担で行う検診がほとんどになりますが、国をあげて早期発見、早期治療の啓発をしている状況です。




どんな治療をするの? 婦人系がんの治療法


一般的ながんの治療法は、手術療法と化学療法、放射線療法です。婦人系のがんも例外ではなく、その治療法が選択されます。


そこで気になってくるのが、妊娠・出産です。


出産希望のある女性については、その後の妊娠・出産の可能性も考慮に入れて治療方針を決めます。妊娠中にがんが発見された場合は、進行度や病変部位にもよりますが、妊娠を維持しながら経過観察をし、出産後に治療に入るということが多く行われています。


がんの進行度によっては、臓器を全摘出しなければなりません。また、抗がん剤の使用は、妊孕性の低下につながる場合があります。


そのため、がんを早期発見したり、疑わしい病変を早く把握したりすることは、その後の妊娠や出産を諦めずに前向きに生きていくことへの布石となるのです。




予防できる唯一のがん=「子宮頸がん」


婦人系がんの中でも唯一、予防ができるがんとして注目されているのが「子宮頸がん」です。


ワクチン接種は発症を未然に予防することができる方法です。接種後の健康被害を訴える声もあり、積極的勧奨は見合わされていますが、「定期接種」として継続されています。


子宮頸がん検査では、がんに移行する可能性のある病変を見つけることもできます。


子宮頸部の粘膜を綿棒のようなブラシでこすり、採取した細胞を顕微鏡検査にかけるというもの。痛みもほとんどなく、簡単に受けることが可能です。20歳以上の女性であれば2年に1回は受けてもらいたい検査です。妊婦健診の項目にも含まれています。


もしここで異常があれば、精密検査や治療を受けることになります。一般に、ベセスダ分類でASC-H、LSIL、HSIL、AGC、SCC、AGC、AIS、Adenocarcinoma、other malig.、従来の日母分類でクラスⅢ、Ⅳ、Ⅴは、コルポスコープを用いて詳しい検査を行います。


万が一、最初の検査で異常が見つかったとしても、がん化しないかどうか経過観察を続けている間に異常がなくなる場合もあります。


日本人の子宮頸がん受診率は諸外国に比べてとても低いものとなっています。自分の体を知るためにも、ぜひ受けていただきたい検診です。




実録:検査から円錐切除、妊娠・出産体験



妊娠・出産を経験する前の女性ががん検診を受け、何らかの異常が見つかった場合、そのショックは計り知れません。


ですが、早期発見であれば、治癒の可能性はもちろん、妊娠・出産の可能性も上昇します。検診を怖がることなく、“女性として当たり前のこと”として、定期的に受けていくことが、あなたを救うかもしれません。


最後に、がんになる前の状態で子宮頸部の病変を見つけることができ、円錐切除術を行った方のその後の経緯をご紹介します。


当時横浜市に在住しており、無料で子宮頸がんの検診が受けられる(無料に関しては、現在は特定年齢だけとなっています。その他の年齢には公費補助があります。)ということで気軽な気持ちで受けました。

しかし出た結果は、クラス3b。衝撃的でした。

結婚を控えていたので、結婚しない方がいいのではないか? 子供が産めなくなるのではないか? パートナーに申し訳ない… さまざまな思いが頭の中を巡りました。「がん?」という言葉で頭が真っ白になりました。

しかし、パートナーの支えもあり手術前に籍を入れました。

しばらくのフォローの後、前がん状態の「子宮頸部異形成」と診断され円錐切除術を受けました。痛みこそあまりない手術でしたが、子宮頸部が短くなってしまったので、子供は難しいかなととても落ち込みました。子供がいる場所に行くのがとても辛い時期もありました。

しかし、術後の半年後、長男を授かりました。円錐切除術を受けているので切迫流産・切迫早産は避けられず、妊娠中入院こそしましたが無事に出産。


その後2人の息子も授かり、結局無理だと思っていた子供を、なんと3人も授かることができました。

あの時、無料だからという気軽な気持ちで検査を受けて、本当に良かったと今では思います。もし発見が遅れていたら、子供たちの顔を見ることはできなかったかもしれません。子宮頸がんだけでなく、婦人系がんの早期発見は、その後の妊娠・出産に大きく関わってくるポイントとなります。

公費補助などのある市町村もあるので、是非検診を受けていただきたいと思います。



参考情報:

子宮頸癌(日本婦人科腫瘍学会)

https://jsgo.or.jp/public/keigan.html


著者情報

治療ノート編集部
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