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パーキンソン病、検査は高額? “4大症状”や家族ができるサポートついて

パーキンソン病は、主に50歳以降に発症する脳の病気です(40歳以下で発症した場合、若年性パーキンソン病と呼ばれます)。進行性の病気ではありますが、近年ではできるだけ早く専門医を受診し、的確な治療・投薬を受ければ過度に恐れる必要のない病気になってきました。パーキンソン病とはどんな病気で、どんな治療法があるのか、どのように付きあっていくべきなのか… ここでは患者としての心構えや、ご家族の病気に対する認識、介助の仕方や接し方などを実際に家族の立場から関わってきた経験を交えて解説します(写真はイメージです)

掲載日:2016年07月01日

パーキンソン病、検査は高額? “4大症状”や家族ができるサポートついて


もしかしたらパーキンソン病? 初期症状は…


パーキンソン病 ーー 人気ハリウッド俳優のマイケル・J・フォックスさんや先ごろ死去されたモハメド・アリさんなど著名人の闘病により、病名こそ知られるようになってきましたが、どのような病気なのか詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか?


ひと言で説明するならば、パーキンソン病は脳の疾患です。


さまざまな研究が行われていますが、発病の原因はいまだ不明です。簡単なメカニズムとしては、ドーパミンという神経伝達物質が減少し、脳から伝達される運動命令がうまく伝わらなくなり、身体の動きが不自由になってくるというものです。


しかしながら、急速に動かなくなるわけではありません(人によって症状はさまざまですが)


多くの場合は、「徐々に動きが鈍くなる」という表現が当てはまるでしょう。



パーキンソン病の“4大症状”とは?


パーキンソン病には“4大症状”といわれるものがあります。


それは、「震え」「無動」「こわばり」「姿勢反射障害(バランス不調)」。


これらが出現したらパーキンソン病の可能性を疑うというのが一般的です。


しかし、脳梗塞や脳溢血・脳出血など、いわゆる脳に関する別の病気の後遺症と非常に見分けがつきにくく、てんかんや他の病気にも似た症状・経過をたどるものがあり、すぐにパーキンソン病であると診断するのは難しい病気です。


ただ、何もしていないときに「震え」や「こわばり」が出始めた場合、整形外科に行くだけではなく、神経外科の先生に相談することをおすすめします。


それが、この病気に向きあうための第一歩です。



「家族性パーキンソン病」とは?


前述のとおり、パーキンソン病の発症にはドーパミンの減少が大きく関与しているといわれています。


減少してしまう原因は加齢、ストレス、遺伝的要因などが挙げられ、原因が遺伝子にある場合は家族性パーキンソン病と呼ばれ、患者全体の1割前後がこれに相当します。




費用は高額? パーキンソン病の検査について



パーキンソン病と診断されるまでには、さまざまな検査があります。


そもそも「自分はパーキンソン病だ!」と自覚をもって受診をすることが少ない病気なので、まず、「これはなんなのだろう?」「病気なの?」というところから始まります。


特に、前述したとおり、脳神経関係の病気(脳梗塞・脳溢血など)を一度患った方の症状は、脳神経外科の名医でも後遺症との見分けがつきにくく、パーキンソン病を専門に扱う専門医に辿り着くまで、時間がかかる場合があります。


パーキンソン病専門医に辿り着いても、パーキンソン病、もしくはパーキンソン症候群であるという、はっきりとした診断がくだるまでには、さまざまな検査があります。


まずは、血液検査


そして「CT」や「MRI」などの画像診断


それでもはっきりしない場合は、MIBG心筋シンチグラフィーやドパミントランスポーターシンチグラフィなどを行う場合もあります。


MIBG心筋シンチグラフィーは、パーキンソン病の兆候があるかどうかを見るのに非常に有用な検査とされており、それでなんらかの反応が出た場合、さらに詳しく調べるために、ドパミントランスポーターシンチグラフィを行う場合があります。


この2つの検査は、パーキンソン診断には非常に有用とされていますが、時間・費用ともにコストの高い検査です。




パーキンソン病とうまく付きあっていくためには…



実際にパーキンソン病と診断された場合、多くの場合が服薬により治療を行い、症状にあった薬を処方してもらうというのがキーポイントとなります。


患者としては、その治療薬が自分にあっているのか? その効果や副作用はどうか? 合併症の出現など、注意深くご自身で観察することが重要です。


しかし、薬の副作用や合併症、患者の高齢化などの要因から「認知症」が進むことがあり、そういった体の変調をうまく担当医に伝達することができない場合があります。


そういったことから、患者だけではなく、その家族も介護者として一緒に病気を理解し、病気とうまく付きあっていくことが重要です。



どんな介助の仕方がいいの?


では、具体的にどのような支援・サポートをすればよいのでしょうか? 


実際にパーキンソン病に罹患した家族を持つ者としてアドバイスするとすれば、薬が効いていて、自分でしっかり動けるうちは特に何かサポートするのではなく、「見守る」ことがひとつの方法ではないかと思います。


もちろんそれは、病状の進行度にもよります。


パーキンソン病は進行性の病気です。


残念ながら歩行もままならず、自分で動くことが難しくなってくる日がいつかは来るでしょう。


しかしながら、その日のことを悲観して、患者自身でできることを制限する必要はないですし、過剰に介助することも本人のためにならないでしょう。


もちろん身体が思うように動かなくなってきたら、日常生活やリハビリなどでそれなりの介助をしなければなりませんが、その時が来るまでは、しっかりと「見守る」のが、家族としていちばんの介助ではないかと思います。




食事に関するサポートは?(栄養管理について)


パーキンソン病の症状は、俗にいう4大症状どれをとっても、基本的に運動能力を低下させるものです。


一日の運動量が減ると、必然的にお腹はすきません。


食欲がなくなると、自分で食事を作ろうという意欲が失われます。


また、併せて自律神経障害なども症状として現れる場合が多く、便秘や発汗、抑うつなどもそれに伴って一緒に現れる傾向があります。


意欲低下に加えて、そのような症状が加わると、さらに栄養摂取不足が加速します。


運動不足によって、基礎代謝が少なくなり血糖値が高くなるということにも…。


パーキンソン病が直接原因ではない他の病気への罹患を予防するためにも、栄養管理に関しては家族のサポートが必要となります。


食欲自体がなくなるので、少量でもしっかりと栄養補給のできるメニュー作りが必須です。


しかしながら、咀嚼低下や嚥下などで、食事がとりにくい場合もあるので、主治医に相談して、栄養補給のためのゼリーやドリンクを処方してもらうのもひとつの方法です。


「食欲がなければ別に無理をして食べなくてもいい」という専門医もいるくらいですので、栄養管理にばかりナーバスになる必要はありませんが、適度でストレスのない食生活を家族みんなで心掛けることが最適なサポート体制ではないかと思います。



ストレスの少ない生活を


パーキンソン病だけに限らず、病気とストレスの関係性はとても結びつきが強いものです。


患者やそのご家族、みんなが少しでもストレスの少ない生活を送れるように工夫することが、長く続くパーキンソン病とのうまい付きあい方だと思います。


「全国パーキンソン病友の会」など、同じ境遇の患者さん・ご家族が情報交換をしたりして支えあう患者会・家族の会も全国に存在しますので、あるいは一度頼ってみてもよいかもしれません。


また、パーキンソン病にはヤールの重症度分類などを基準とした公的支援制度も設けられていますので、できる限り活用することをおすすめします。


毎日の生活にほんの少しでいいので見通しを立てることで、心に余裕が生まれます。そのほんの少しの余裕こそが、ストレスの少ない生活への足がかりになると筆者は感じています。


※治療ノートにはたくさんのパーキンソン病の治療体験談が寄せられています。下記リンクよりご覧ください。


https://www.c-notes.jp/diseases/parkinson/experiences



参考情報:

パーキンソン病治療ガイドライン2011(日本神経学会)

https://www.neurology-jp.org/guidelinem/parkinson.html


著者情報

治療ノート編集部
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