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自閉症の原因が特定!? 治療の新たな光明と参考にしたい経験者からのアドバイス

自閉症は、生まれ持った脳の先天的な障害(染色体異常)が原因であると言われています。まだ不明な点も多く根治がのぞめる治療法はありませんが、その症状を改善するための大きな手がかりとなる研究結果が飛び込んできました。治療の新たな光明となるその発見とは? 経験者からのアドバイスとともにご紹介します(写真はイメージです)

自閉症の原因が特定!? 治療の新たな光明と参考にしたい経験者からのアドバイス


誤解多き自閉症、有効な治療法は…?


「いじめのため自閉症になった」「昔自閉症だったけどなおった」「親の育て方が悪くて自閉症になった」「テレビの見過ぎ、ゲームのやり過ぎで自閉症になった」などというのは、全て間違いです。

(高知県自閉症協会「自閉症とは」より)


自閉症に限らず、さまざまな病気についての間違った情報や考えを鵜呑みにしてしまうのは、とても恐ろしいことです。高度情報化社会となり病気についてのニュースや情報が溢れ返るなか、正しいものを選び出すことは容易ではありませんが、私たち一人ひとりが慎重に見極める必要があるでしょう。


自閉症に関しては、まだ解明されていない部分が多いのも事実。果たして治るの、治らないのか不安を抱えながらお過ごしの方も多いと思いますが、その治療が大きく前進するかもしれないひとつのニュースが飛び込んできました。



東京大学分子細胞生物学研究所の中村勉講師と秋山徹教授らの研究グループは、脳の神経細胞の活動を抑えるGABA受容体の運搬に関与するタンパク質PX-RICSが、ヤコブセン症候群患者に発症する自閉症の原因であることを特定しました。本成果は、PX-RICSを標的とする自閉症の新しい薬の開発につながると期待されます。

(「東京大学」research-newsより)

※ヤコブセン症候群…11番の染色体異常の病気

(11番染色体長腕末端部の欠失に起因する先天異常疾患)




GABA受容体の運び屋タンパク質が治療の鍵!


この発表にある「GABA受容体」とは、脳内にある神経伝達物質のこと。


脳の神経細胞には「ニューロン」というものがあり(その数、100億~1,000億個)、私たちが考えたり、何かを記憶するときには、このニューロンが互いに情報をつなぎあうことで成立します。


このニューロン同士のつなぎ目の役割をするのが「シナプス」です。要するに、情報の受け渡し場所ですね。


シプナスとシプナスの間にはわずかな隙間があり、この間のやりとりは「情報伝達物質(神経伝達物質)」を介して、記憶や考えをつなぎあっています。


その間をとりもつ神経伝達物質のひとつがGABA受容体(抑制性神経伝達物質)。これをニューロンの表面に運んでくれるタンパク質=PX-RICSの異常が、自閉症の原因のひとつとなることを特定したのです


つまり、GABA受容体の輸送を改善してくれる薬が開発されれば、自閉症が改善される可能性が高いということ。自閉症患者さんやご家族・周囲の方にとっては間違いなく光明といえるこのニュース、少しでも治療が前進することを期待したいですね。




参考にしたい自閉症の体験談


ここからは治療ノートに寄せられた自閉症の体験談の中から、具体的な症状などを見ていきましよう。



自閉症、どんな症状がありましたか?


もともと子供のころからこだわりが強く、音や光への過敏反応や過集中、疲れやすさ、集団になじめないなどの症状があり、不登校に近い状態になったこともありました。大学3年生頃から「うつ病」のような傾向が顕著になり、生活リズムが狂い、まともに大学に通うことができなくなりました。


姉が自閉症の診断を受けていたこともあり、同じ病院で診察を受けました。姉と同じで、知能に問題のないタイプの自閉症(アスペルガー症候群)という診断をもらいました(治療当時:10代以下女性)

https://www.c-notes.jp/diseases/autism/experiences/2788


接客アルバイト中にお客さんの視線や言葉が必要以上に気になり、精神ストレスが辛くアルバイトをやめました。その後は家に引きこもり、昼夜逆転したことで生活が悪化しました。自宅は店舗のため、パートさんに引きこもりのことを笑われたり、お客さんの話し声が高いと異常に気になりなるようになりました。

男性の声が聞こえるたび祖父の声と思い込み、無言で祖父に物をぶつけるようになりました。
家庭内暴力を心配した家族と精神科病院に向かうとき、同乗した親族に体をずっと押えつけられ「助けて」と叫んでいて、状態が悪いという理由ですぐに入院しました。知能などのテスト後、1週間安静に過ごし、半年間大部屋に入院しました。


先生から「辛かったでしょう」と、自閉症や強迫性障害など複数の病を併発していることを知らされました(30代女性)

https://www.c-notes.jp/diseases/autism/experiences/1421



自閉症の主な特徴

・目を合わせることが苦手
・言葉の遅れやオウム返しがよくみられる
・多動である
・こだわりが強い
・意思を言葉にできずパニックをおこす
・要望がある場合相手を引っ張っていくクレーン現象がある

保育のお仕事「自閉症スペクトラムの特徴と対応のコツ~正しい支援のために~」より


上記はほんの一例で、人それぞれにさまざまな特徴があります。



自閉症でお悩みの方へのアドバイス


自閉症の人たちは良くも悪くも独特の世界観を持っていると思います。長所にも短所にもできるのです。子供では集団生活の中では困ることが多くあります(一斉の指示が通りにくい、給食が食べられないなど)が家庭内ではほぼ問題は起こらないこともありますし、自閉症の三つ組みと言われる、対人交渉の質的な問題、コミュニケーションの質的問題、イマジネーション障害のすべてが当てはまらない人も多数います。


問題が少なければ個性や特性と理解して、薬の選択をしない方向もあります。問題が多ければそれに添った薬を合うまで試してみることをおすすめします。そして、周りの自閉症への理解がいちばんの治療につながると思います(10代以下男性のご家族)

https://www.c-notes.jp/diseases/autism/experiences/1956



環境整備をして、どうやって社会に適応していくか、継続して支援が必要です。家族だけでは難しい部分が大きいので、医療機関のみならず、行政サービスなどを良く調べて専門家に支援を受けることが大事です。


また、ひと口に自閉症スペクトラムと言っても現れる症状や対処法はひと括りにできるものではありませんので、知識だけではなく、本人の様子を良く観察しながら対応していくことが必要になります。特に子供の場合は、成長に合わせて柔軟に対処していくのが良いと思います(10代以下女性のご家族)

https://www.c-notes.jp/diseases/autism/experiences/876


わが子は発達障害じゃないだろうか? と悩まれる方をよく見かけますが、悩むより発達外来の受診をおすすめします。診断が早い方が、訳が分からず親子で苦しむ時期が短く済みますし、療育の開始が早いことで、特性が最低限に抑えられることも期待できます。

また障害じゃなければ不安になることもなく、子どもにも笑顔で接することができます。案ずるより産むがやすし、だと思います(10代以下男性のご家族)

https://www.c-notes.jp/diseases/autism/experiences/1499



参考情報:

自閉症の原因となる遺伝子を特定(東京大学)

http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/utokyo-research/research-news/an-autism-gene-identified.html

GABA受容体作動薬(GABAの働きを強める薬)(快眠ジャパン)

http://www.kaimin-japan.jp/medical-treatment/gaba/

ニューロン(RIKEN Brain Science Institute)

http://www.brain.riken.jp/jp/aware/neurons.html

 シナプス(RIKEN Brain Science Institute)

http://www.brain.riken.jp/jp/aware/synapses.html


著者情報

治療ノート編集部
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