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日本人の敏感肌に向きあい続けた唯一の国産ストーマ装具メーカー「アルケア」、その原点にある想いとは?

あらゆる分野において価格競争力に優れた外国製品が溢れるなか、やはり「MADE IN JAPAN(日本製)」という価値に安心感を抱く方は多いのではないでしょうか? ストーマ装具においても、身体と日々の生活に深く関わるものゆえ利用者が求めていることは何より高い品質と安全性に他なりません。「アルケア」は実は唯一の国産ストーマ装具メーカーであり、「オストメイトの集い」を発足させるなど半世紀以上にわたって患者さんと共に歩んできました。その歴史と功績をご紹介します。

この記事のあらすじ

  • 日本人の敏感な肌と向きあってきたアルケア、その出発点は?
  • 「オストメイトの集い」など常に患者さんに寄り添うマインド
  • アルケア製品はすべて「ISO13485」の安全基準のもと製造
日本人の敏感肌に向きあい続けた唯一の国産ストーマ装具メーカー「アルケア」、その原点にある想いとは?


日本人の肌は敏感? その特性と向きあって生まれた国産ストーマ装具


肌の基本構造は人種関係なく同一ですが、環境や生活習慣が異なるために白人と黄色人種の肌質は当然のことながら同じではありません。厚生労働省・産業医学総合研究所の報告によると、乾燥した欧米地域の白人は角質が厚く、対して湿潤な気候の日本人はその3分の2ほどしかないためセンシティブであり、必然的に有効なスキンケアも異なってくるのです。


ストーマは装具の着脱による刺激などで周囲の肌がかぶれやすく、皮膚トラブルは長くストーマ保有者の悩みの種でした。そこで医療機器・医療消耗材料メーカー「アルケア」は、皮膚保護剤を配合し着脱によるダメージの少ないストーマ装具「セルケア」シリーズを開発。日本人の肌の特質を踏まえ、日本人の肌にあった器具作りを国産にこだわって続けています。


加えて、アルケアはストーマ保有者の情報センターとしてのショールーム開設やストーマ保有者を支援する「オストメイトの集い」など、身体面だけでなく“こころ”のサポートも含めた包括的なカスタマーサービスを長きにわたって提供しています。その常に利用者に寄り添ったアクションの根っこには、どんな想いがあるのでしょうか? これまでのヒストリーや実績から紐解いていきましょう。




国立がんセンターの依頼でストーマ装具を開発


アルケア社が産声を上げたのは、1953年に創業者の鈴木重夫さんが日本で初めてギプス包帯を開発したことがきっかけです。整形外科医の要請を受けて開発に取り組み、包帯を石こうで固めたギプス包帯を誕生させたのです。


その2年後の1955年に鈴木さんは、同社の前身である有限会社東京衛材研究所を墨田区の自宅に設立。ギプス包帯を主軸に生産を続ける中、国立がんセンターからの依頼を受けて1965年、日本で初めてストーマ装具「ラパック」を開発、販売を開始しました。


同社が現在、販売するストーマ装具「セルケア」シリーズは便や尿をためる袋(ストーマ袋)と皮膚に貼り付ける面板(めんいた)がセットになっているタイプですが、当時はベルトで“お椀”を腹部に固定するもので、密閉性が悪く、便や尿の漏れや悪臭などが問題点だったそうです。




利用者の声に耳を傾けるマインド



同社はストーマ装具の販売開始以来、開発、製造、販売、管理を一貫して行ってきました。コーポレートスローガンは「for Best Care」。患者さんにとって最も良い製品を模索し続けています。


製品の改良を検討する上で、最も大事にしているのが「利用者の声に耳を傾ける」こと。


1973年、オイルショックでトイレットペーパーが市場から姿を消す事態に見舞われた際、ストーマを造設した多くのオストメイトたちが製品を確保するために会社を訪問したことがあったそうです。そのときに鈴木さんは、手術後の障害や社会復帰の困難さ、製品の品質向上を望む切実な声を聞き、エンドユーザーの生の声を聞く大切さを実感。以来、傾聴のマインドを大切にして利用者からの聞き取りを定期的に行い、その姿勢は現在も受け継がれています


リンク:アルケア コーポレートサイト




交流サロン「オストメイトの集い」を発足、積極的な情報発信も

今年(2016)創刊40周年を迎えた「明るいくらしの会ニュース」


利用者の声を聞くマインドを体現している好例をご紹介しましょう。ひとつには生活上の悩みや意見などを聞く無料医事相談室「明るいくらしの会」の発足、そしてストーマ保有者に役立つ情報を提供する「明るいくらしの会ニュース」の創刊、さらにオストメイトの方が仲間同士で役に立つ情報や楽しみを共有できる交流の場「オストメイトの集い」の開催などが挙げられます。


高品質な商品を提供するだけでなく、“こころ”の健康もより良い生活を実現するには必要不可欠だとの考えに基いて、これまでに30回以上、患者さん向けのイベントを開催しています。


利用者の声を聞き続けることで製品の品質は着実に上がっていきました。


皮膚がかぶれる問題点を克服しようと、肌への刺激が少ない皮膚保護剤を開発。1985年にはパウチと面板が別々になっているツーピース型の装具を日本で初めて生み出しました。「外れにくい」「ゴルフなどのスポーツができる」を製品コンセプトとして、実際にスポーツが盛んなオーストラリアなど海外からも高い評価を受けています。




皮膚にフィットしつつも刺激が少ないセルケア


利用者から高い評価を得ている「セルケア」シリーズ


アルケアが開発・販売するストーマ装具「セルケア」シリーズは、面板をはがすときの刺激で皮膚がかぶれやすくなることに着目し、皮膚保護剤に同社独自のスキンケア成分配合技術を応用して保湿成分のセラミドを含めることで、保湿性や肌の保護機能を向上させ、皮膚ダメージの少ない装具を実現させました。


ストーマ装具の交換による皮膚トラブルに長年苦しんできた多くの患者さんにもたらした希望は計り知れません。


んだり反ったりしても剥がれにくく、皮膚にフィットするので漏れをしっかりと防いでくれます。便や尿、ガスの臭い漏れを防ぐ脱臭フィルターも備わっています。


ストーマ装具やケアについては下記リンクをご参照ください

https://www.almediaweb.jp/stomacare/



「ISO13485」を取得、ものづくり大賞も受賞


信頼の国際規格「ISO13485」を取得


アルケアは、スイスのジュネーヴに本部を置く非政府組織・国際標準化機構(略称:ISO)が定める「ISO13485」を取得しています。「ISO13485」は医療機器の品質の安全性を確保するために設けられた規格で、全てのアルケア製品がこの規格のもとに製造されています。


また、2009年には「セルケア2」で実現させたスキンケア成分配合・通気性回復フィルター・汚れ防止構造搭載の人工肛門装具の開発という技術が高く評価され、「ものづくり日本大賞」(経済産業省などが日本のものづくりに関わる優れた人材や製品を表彰)の経済産業大臣賞を受賞。安全への徹底した配慮、ものづくりへのこだわりーー これらの実績はアルケア製品の信頼性を裏付けるに十分なものといえるでしょう。




国内初! ストーマケアの総合サイトを開設


「ストーマケア情報サイト」トップページ


アルケアはストーマケアに関する啓発にも注力しています。


前述した「明るいくらしの会ニュース」などの情報発信などに加えて、ストーマケア事業50周年となる2015年には、ストーマ利用者やご家族、医療関係者などが手軽に正しい知識を得られるようにとストーマケアの情報をまとめたWEBサイト「ストーマケア情報サイト」を開設しました。オープン直後から「情報量が多く動画もあり、ストーマをイメージしやすい」といった反響があり、医療従事者からも「院内勉強会に使える」「患者さまへの説明に使える」など、スタッフ教育や患者サポートへの利用価値を評価する声が多数届いているそうです。


この「ストーマケア情報サイト」は13人もの認定看護師と1人の医師が協力し、正確な情報をわかりやすく、そして体系的に得られるよう構成されています。内容としては医療関係者向けの「ストーマケア・ナーシング」、利用者や家族向けの「ストーマ・ライフ」、小児向けの「小児ストーマ」の3つのカテゴリーにわかれており、イラストや写真を多用、ケアの手順について短い動画を掲載するなど、非常にわかりやすく紹介されています。



特に小児ストーマに関する情報はまだ少なく、「小児ストーマ」で公開されている特有な病態やストーマケアの知識などは親御さんにとって非常に心強いものといえるのではないでしょうか。ぜひ一度、下記よりご覧になってください


「ストーマケア情報サイト」

http://www.almediaweb.jp/stomacare/




社会貢献にも積極的なアルケア 熊本地震の被災地支援として…


被災地に寄贈した医療用弾性ストッキング「アンシルク」


アルケアは被災地支援活動にも取り組んでいます。


2016年4月に熊本地震が発生した際には、問題となったいわゆるエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)の予防策として、下半身の血流を促進する医療用弾性ストッキング「アンシルク」を被災地に送りました。東日本大震災のときにも同様の支援を行いましたが、今回の震災を機に、支援の初動を早くしようと、弾性ストッキング1万人分を備蓄することに決めたといいます。


こういったニーズに沿った迅速な対応も、利用者の声に耳を傾け、高品質な製品を生み出すことはもちろん、単なるメーカーの枠にとどまらず、医療現場と患者双方に向きあい続けてきたアルケアだからこそ。これからも患者さんやご家族、関係者にとって頼もしい拠り所として在り続けてくれるでしょう。

著者情報

治療ノート編集部
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